黄色ブドウ球菌保菌者の割合は?その実態と原因解明
前記事では、イタリアの食事施設の調理者が原因で黄色ブドウ球菌中毒が起きた事例を紹介しました。ここで気になるのは、一般の人々の中で黄色ブドウ球菌はどれぐらいの割合で保菌しているのかという疑問です。黄色ブドウ球菌は健康な成人の前鼻に常在する常在菌であり、世界人口の20%から30%が断続的および持続的に感染していると言われています。本記事では、その保菌率やなぜ保菌してしまうのかの原因についての詳細な実態を解明します。黄色ブドウ球菌の保菌に関心がある方必見です!
米国のサルモネラ規制基準:鶏肉中の菌数と血清型の科学的根拠を探る
前回の記事では、米国において生の鶏肉に対するサルモネラ菌の規格基準が適用される可能性について、米国農務省の発表を紹介しました。この基準では、菌数を10 CFU/g (ml) とすることが検討されており、対象は特定の血清型(Salmonella EnteritidisやSalmonella Typhimuriumなど)に限定される見込みです。しかし、なぜこのような菌数レベルと血清型が農務省の規制対象として設定されることになったのでしょうか。今回の記事では、この米国農務省の規格基準の科学的根拠に関連する論文を紹介します。
米国で全ての生鶏肉にサルモネラの規格基準導入!
米国ではこのたびすべての生鶏肉のサルモネラの規格基準が導入されることになりました。米国農務省は7月29日に鶏肉におけるサルモネラ規格基準に関する新たな取り組みと案を発表しました。すでに2024年4月、農務省は、生のパン粉をまぶした鶏肉のぬいぐるみ製品で初めてサルモネラ菌を規制する規則を最終決定していましたが、今回の発表において、小麦粉製品だけに限らず、すべての鶏肉において特定のサルモネラ血清型について規格基準を設定するという流れになります。
パリオリンピック開幕直前に発覚したミネラルウォーターの大スキャンダル
パリオリンピックがいよいよ開幕しました。猛暑が続く中、ミネラルウォーターの需要が急増しています。フランスをはじめEUで流通するミネラルウォーターは、厳選された清浄な自然環境から採取されたものであり、殺菌処理が禁止されています。しかし、今年2月からフランスでミネラルウォーターに関する大きなスキャンダルが発覚し、国内外で波紋を呼んでいます。本記事では、このスキャンダルの経緯とフランスの衛生管理システムの問題について詳しく解説します。
アーモンドミルクでリステリア食中毒
カナダでアーモンドミルクによるリステリア食中毒が発生しました(カナダ保健省発表、7月17日)。植物由来の牛乳が健康的なイメージを持つ中での発生に、カナダのモントリオールでは驚きが広がっています。
リステリアの鑑別平板培地の原理を説明します
前の記事でリステリアの選択増菌培地としてのFraser培地の原理を説明した。本記事では、リステリアの鑑別平板培地の原理について説明する。 ISO法(および日本の公定法)では、Half Fraser培地およびFraser培地の増菌液を、原理の異なる二系列の鑑別平板培地に画線塗抹する。第一系列では、ALOA培地を用い、第2系列では、オックスフォードまたはPALCAM寒天培地を用いる。この二系列では原理が異なる。本記事では、これらの二系列の鑑別平板培地培地の原理について説明する。
Fraser培地:民間企業の女性研究者が開発したリステリア属菌検出法の原理と応用
Fraser培地とHalf Fraser培地はリステリア属菌の選択的増菌にISOで推奨される標準手法である。この記事では、これらの培地がリステリア属菌を効率的に選択し、鑑別する理由を解説する。特に、民間企業の女性研究者であるJudy A. Fraser博士が開発に寄与したこの培地の開発背景と科学的原理に焦点を当て、理解を深める。
今週のブログ更新について
親愛なる読者の皆様へ、
いつも当ブログをご愛読いただき、心から感謝申し上げます。通常、毎週月曜日に新しい記事をお届けしておりますが、現在、緊急の業務に集中しているため、今週はブログの更新を見送らせていただきます。
この状況をご理解いただき、ご了承いただけますと幸いです。皆様の温かいサポートに感謝し、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。