黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌関連の過去20年間における注目論文です。
黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンAによる嘔吐メカニズムの解明
2023年7月24日
黄色ブドウ球菌は典型的な毒素型食中毒菌であり、その症状は嘔吐です。また、黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンAを産生することが知られています。しかしながら、このエンテロトキシンAが具体的にどのように嘔吐を引き起こすのかは、これまで謎とされていました。しかし、2019年、北里大学の小野久弥博士らが世界で初めてこのメカニズムを解明しました。この記事では、博士らの研究結果を紹介します。黄色ブドウ球菌が引き起こす嘔吐の仕組みについて、驚くべき新たな知見が明らかにされました。
消毒のしすぎ、手荒れに注意ー皮膚の善玉常在菌の表皮ブドウ球菌の役割
2022年8月1日
黄色ブドウ球菌は皮膚表面で炎症を起こす悪玉菌です。皮膚表面に付着している黄色ブドウ球菌を減らすにはどうしたらよいでしょうか?皮膚表面の常在菌は、この悪玉菌を排除する力を持っているのでしょうか?実は、このことについて、これまで科学的に明確なエビデンスは存在していませんでした。 2017年にカリフォルニア大学サンディエゴ校の中辻博士らによって行われた研究が、このことを科学的に立証しました。表面の常在菌である表皮ブドウ球菌が黄色ブドウ球菌を攻撃排除していることが明らかになりました。