■ 世界最新ニュース
食品微生物分野の世界の最新注目ニュースを紹介します。
2026年からリステリア規制が厳格化!EUの新基準が日本食品業界に与える影響
2026年、EUがリステリア規制を大幅に厳格化します。これまでCodex基準に基づき、賞味期限内でリステリア菌が100 CFU/gを超えないことを科学的に証明できる場合、第三基準として許容されていた運用。しかし、科学的証明が不十分な場合も多く、実質的には出荷時点での確認に留まっていました。今回の改正案では、この曖昧さが排除され、証明が困難な場合にはゼロトレランスが適用されることが明確化されています。この動きは、食品業界にとって科学的根拠の重要性を再認識させるものであり、日本食品業界にも影響を与える可能性があります。
タマネギ工場の衛生管理の問題が明らかに—マクドナルドO157事件の背景
2024年に米国で発生したマクドナルドの大腸菌O157食中毒事件。その背後には、サプライヤーであるTaylor Farmsのタマネギ工場における深刻な衛生管理の問題がありました。最近公開されたFDAの報告書では、食品接触面の清掃不足や記録管理の不備、従業員の衛生手順の欠如など、多くの問題が指摘されています。本記事では、報告書の具体的な内容を解説し、日本の食品業界が学ぶべき教訓を考察します。
遂に中国で初めてリステリア食中毒原因食品が特定された!
中国もこれまで日本と同様、リステリア感染症は病院では多数症例が見られるものの、 その原因食品が疫学的解析で明確に特定された事例は存在していませんでした(日本では2001年の北海道のソフトチーズ事例のみは食中毒として原因食品特定)。この度、中国で初めてリステリア症の原因食品が特定されました、その事例を紹介します。
米国初、カリフォルニア州で食品の消費期限設定が義務化
以前、このブログでEUや日本における消費期限や賞味期限の考え方について紹介しました。では、米国ではどうでしょうか? 実は驚くべきことに、これまで米国では消費期限や賞味期限の表示が法律で義務化されていませんでした。しかし、今回カリフォルニア州が米国で初めて、期限表示の法制化に踏み切りました。本記事ではその詳細についてご紹介します。
マクドナルドのO157事件再び:タマネギが疑われる今、そのリスクを検証する
1980年代初頭、アメリカで初めて大腸菌O157による食中毒が発生したとき、その原因はハンバーガーでした。公式には「レストランチェーンA」として報告されていますが、多くの情報源がこのレストランがマクドナルドであったと指摘しています。この事件では、肉の加熱不足が疑われており、それがO157のリスクを一般に認識させる契機となりました。40年以上が経過した今、再びマクドナルドでO157による食中毒が発生し、今回はタマネギが原因と「推測」されています。しかし、現時点ではタマネギが確定したわけではなく、FDAの調査はまだ続いています。今回は、過去の事例と現在の事件を比較し、タマネギのリスクについて考察していきたいと思います。
EUが動く!全ゲノム解析義務化で食中毒菌対策が新時代に突入
本ブログでは、米国やEUを中心に進展する食中毒菌対策の最前線を追っています。2013年、EU加盟国では全ゲノム解析(WGS)によるルーチンサーベイランスを導入した国はゼロ。しかし、2017年にはその数が20カ国に増え、 […]
米国で全ての生鶏肉にサルモネラの規格基準導入!
米国ではこのたびすべての生鶏肉のサルモネラの規格基準が導入されることになりました。米国農務省は7月29日に鶏肉におけるサルモネラ規格基準に関する新たな取り組みと案を発表しました。すでに2024年4月、農務省は、生のパン粉をまぶした鶏肉のぬいぐるみ製品で初めてサルモネラ菌を規制する規則を最終決定していましたが、今回の発表において、小麦粉製品だけに限らず、すべての鶏肉において特定のサルモネラ血清型について規格基準を設定するという流れになります。
パリオリンピック開幕直前に発覚したミネラルウォーターの大スキャンダル
パリオリンピックがいよいよ開幕しました。猛暑が続く中、ミネラルウォーターの需要が急増しています。フランスをはじめEUで流通するミネラルウォーターは、厳選された清浄な自然環境から採取されたものであり、殺菌処理が禁止されています。しかし、今年2月からフランスでミネラルウォーターに関する大きなスキャンダルが発覚し、国内外で波紋を呼んでいます。本記事では、このスキャンダルの経緯とフランスの衛生管理システムの問題について詳しく解説します。
アーモンドミルクでリステリア食中毒
カナダでアーモンドミルクによるリステリア食中毒が発生しました(カナダ保健省発表、7月17日)。植物由来の牛乳が健康的なイメージを持つ中での発生に、カナダのモントリオールでは驚きが広がっています。
【最新決定】米国における生鶏肉製品のサルモネラ規格基準、2025年施行へ
2024年5月1日、米国農務省は新たな食品安全基準を発表しました。この基準により、生鶏肉製品(パン粉をまぶした生鶏肉)にサルモネラ菌の微生物規格が導入され、1cfu/gを超えるサルモネラ菌を含む製品の販売が禁止されます。2022年8月に提案されたこの規則は、業界からの広範なフィードバックを経て改良され、2025年5月1日から施行されることが決定されました。