食中毒の裏側:米国レストランでの発生原因、従業員の健康状態が鍵を握る新着!!
レストランで食事をする時、従業員の健康状態を気にしたことはありますか?実は、米国で発生する食中毒の約40%が体調不良の従業員から起きているという事実があります。今回発表されたCDCの調査によると、経営者の92%が従業員に体調不良時の報告義務を課していると回答しましたものの、その方針が明文化されている店舗は66%にとどまります。更に驚くべきは、FDAが推奨する「休職が必要な5つの症状」を全て盛り込んだポリシーを採用している店舗はわずか23%だということです。
再発!生のクッキー生地でサルモネラ食中毒(米国事例)
米国で、生の小麦粉生地を原因とするサルモネラ食中毒が再発しています。以前にも当ブログでは生のクッキー生地によるサルモネラ食中毒や腸管出血性大腸菌の問題について触れてきましたが、今回、再度、食中毒がおきてしまいました。米国での生のクッキー生地の摂取に対する注意喚起は、まだまだ必要なようです。
人間と微生物、負け組同士の戦いに関する学問が食品微生物学 - 宇宙人は植物を尊敬し、人間も微生物も相手にしていない?
本記事では、食品微生物学や微生物学の入門者に対して、食中毒菌や腐敗細菌と人間との関係について解説する。人間も微生物も、恒星エネルギーの利用の観点でみれば、植物に対しての負け組である。植物と異なり、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換できないからだ。宇宙人から見れば、植物こそがが尊敬すべき生命体であり、人間と微生物については、どちらも似たり寄ったりの下等生物と見なしているかもしれない。すなわち、食品微生物学とはエネルギーの観点から見た地球生物学における負け組同士の戦いに関する学問と捉えることもできる。
牛肉のカンピロバクター食中毒リスク!焼肉店での事例から考える
2023年5月の連休前の4月21日、22日に福島県福島市の焼肉店で食事をした男女18人がカンピロバクター食中毒になったニュースが報道されました。報道によれば、焼肉店で提供された牛肉の加熱が不十分だった可能性が指摘されています。そこで、本記事では、日本の牛肉がどの程度カンピロバクターに汚染されているのかを調査した研究例を紹介し、牛肉によるカンピロバクター食中毒リスクについて解説します。
新基準!米国でパン粉をまぶした生鶏肉にサルモネラ菌の微生物規格設定
米国農務省が2023年4月25日に発表した続報によると、パン粉をまぶした生鶏肉製品において、サルモネラ菌の微生物規格基準が最終的に設定されることを決定しました。この新基準は、2022年8月に発表された方針を基礎とするものです。この基準によれば、鶏肉の詰め物やパン粉付け前に、1cfu/gのサルモネラ菌の陽性反応が出た製品は、店頭に並べられないことになります。また、このような汚染が見つかった製品は回収しなければならなくなります。この重要な規制変更について解説します。
スモークサーモンのリステリア増殖を抑える方法とは?サーモン寿司にも注意が必要な理由
スモークサーモンによるリステリア食中毒は、特にEUで頻発している問題です。しかし、サーモン加工工場でのリステリア菌の二次汚染を完全に防ぐことは困難です。そこで、流通段階でのリステリア増殖を抑制する方法が求められています。本記事では、スイスのチューリッヒ大学のエイチェール博士が提案する、高濃度(30%)の乳酸ナトリウム(NaL)を冷製スモークサーモンに注入する方法を紹介します。さらに、サーモン寿司においてもリステリアに注意が必要な理由を解説します。
ナイシンと有機酸の組み合わせでリステリア菌を制御!調理済み食品の安全性を向上させる方法
リステリア菌は食品工場での混入リスクが高いことで知られていますが、本菌は食品製造工場でバイオフィルムを形成しやすく、調理済み食品(RTE)製品への混入の完全防止は必ずしも容易ではありません。そこで米国で注目されているのが、流通段階でのナイシンと有機酸を組み合わせた制御方法です。本記事では、この方法が調理済み食品のリステリア菌制御にどのように役立つかを解説します。RTE製品の安全性を高めるために、ぜひ一読してみてください。
【要注意】生の小麦粉生地でサルモネラ食中毒が発生!(米国事例)
米国で生の小麦粉生地によるサルモネラ食中毒が報告されています。以前、当ブログでは生のクッキー生地による腸管出血性大腸菌食中毒の事例を取り上げましたが、今回はサルモネラが原因となっています。現在のCDCの発表内容をもとに、最新情報をお届けします。
食中毒細菌の歴史を探る:1977年以降に認識された食中毒細菌シリーズの第3作、ノロウィルス
1977年以降に認識された食中毒細菌の歴史シリーズ3記事目の本記事では、ノロウィルスに焦点を当ててお届けします。1972年には既に胃腸炎の原因として知られていたノロウィルスですが、2002年に新属名として国際的に認知され、食中毒統計や論文で取り上げられるようになりました。この記事では、ノロウィルスの発見と研究史を解説します。
腸管出血性大腸菌(EHEC):その発見と研究の壮絶な道のり【新しい食中毒細菌研究史3部作・第2話】
この3部作では、驚くべき発見から衝撃的な研究史まで、1977年以降の食中毒細菌の世界に迫ります。シリーズ2記事目の本記事では、腸管出血性大腸菌(EHEC)がどのようにして科学のスポットライトを浴びることになったのか、そしてその歴史の中でどのような発見があったのかを徹底解説。腸管出血性大腸菌の登場の舞台裏をわかりやすくお届けします。