■ 世界最新ニュースと最新論文
生鶏肉使用小麦製品にサルモネラ菌の微生物規格基準設定(米国)新着!!

 日本でも米国でも生の鶏肉を原因とするサルモネラ菌やカンピロバクターの食中毒は深刻な問題です。ただし、鶏の生肉は、消費者が加熱調理をする前提で販売しています。したがって、これまで生の鶏肉については、サルモネラ菌やカンピロバクターに関する微生物基準は設定されていません。 これに対して米国ではかねてから消費者団体や有名弁護士事務所が農務省に対して微生物規格基準を設定するように、強い要望書が提出されていました。この度、生の鶏肉を用いた小麦粉製品について、初めてサルモネラ菌についての微生物規格基準が設定されることになりました。

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黄色ブドウ球菌
消毒のしすぎ、手荒れに注意ー表皮ブドウ球菌の役割

 黄色ブドウ球菌は皮膚表面で炎症を起こす悪玉菌です。皮膚表面に付着している黄色ブドウ球菌を減らすにはどうしたらよいでしょうか?皮膚表面の常在菌は、この悪玉菌を排除する力を持っているのでしょうか?実は、このことについて、これまで科学的に明確なエビデンスは存在していませんでした。 2017年にカリフォルニア大学サンディエゴ校の中辻博士らによって行われた研究が、このことを科学的に立証しました。表面の常在菌である表皮ブドウ球菌が黄色ブドウ球菌を攻撃排除していることが明らかになりました。

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ノロウィルスおよびその他ウィルス関連
食品および包材からの新型コロナウイルスの感染リスクについて

 食品や包材から新型コロナウイルスが果たして感染するかについては科学的なデータが不足しています。 2022年、食品や包装材料からの新型コロナウイルスの感染に関して、2論文が発表されました。一つは食品や食品包材からの感染伝播の可能性が低いことを示した論文です。もう一つは中国で実際に輸入された冷凍食品から感染が起きた可能性を示唆した論文です。2つの論文からは相反する結論が導き出されています。本記事では、これらの論文の要旨を紹介します。

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腸内細菌、ヒト常在菌
ウイルス性呼吸器感染がサルモネラの腸内感染を容易にする

 呼吸器感染ウイルスは呼吸器系のみで増殖します。しかし、感染者は嘔吐や下痢などの消化器症状を呈することもあります。なぜ、呼吸器系の感染が、腸管でのこのような症状を起こすことがあるのでしょうか?その分子機構は未だ解明されていません。

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■ 世界最新ニュースと最新論文
米国で発生中のリステリアのアウトブレイクの原因としてアイスクリームが浮上

  2021年から2020年にかけて米国で発生中の10州にまたが原因食品不明だったリステリアの広域アウトブレイクの原因食品は、アイスクリームの可能性が高いことを、米国CDCが発表しました。 2022年6月30日現在、23人の患者が確認されており(22人入院)、うち1人が死亡しています。また、別の患者は妊婦で、この感染症が原因で赤ちゃんが死亡しました。

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■ 世界最新ニュースと最新論文
ノロウィルスの新たな感染経路としての唾液感染

 ノロウイルスも含めて、一般に、食中毒の微生物は唾液感染はしないと考えていられています。食中毒微生物は糞便由来で排泄され、食品や人の手指などを通じて、再度、人間に感染します。ところが、 2022年6月29日に発表されたネイチャー誌はこの常識を覆しました。米国国立衛生研究所のゴッシュ博士らは、ノロウィルスは唾液から感染することをマウスモデルで証明しました。

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腸内細菌、ヒト常在菌
抗生物質が体から抜けるまでと抜けた後に腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすか?

 私たちは、お医者さんから抗生物質を投与されることがあります。処方された抗生物質が体から抜けるまでと、抜けた後に腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすのでしょうか?抗生物質投与中には腸内細菌は全滅してしまうのでしょうか?この記事では、抗生物質(この場合はシプロフロキサシン)に投与する前、投与中、投与後の3人の被験者の腸内細菌叢の組成を経時的に調査した結果を紹介します。

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腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌感染の後遺症

新型コロナウイルス感染症の後遺症が心配されています。食中毒細菌感染の場合はどうでしょう?食中毒感染の場合には感染しても、治癒後は後遺症は残らないと考えている人も多いのではないでしょうか?しかし、そうでもないことを示す論文をこの記事では紹介します。腸管出血性による胃腸炎後の後遺症(高血圧、心疾患、腎臓病)に関する論文です。

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■ 世界最新ニュースと最新論文
ドイツでは最もリステリア菌感染しやすい食べ物はスモークサーモンである

リステリア菌に汚染されたスモークサーモンおよびグレービングサーモン製品が、ドイツにおけるリステリア症感染の深刻なリスクとなっているようです。ドイツでは、10年の間に20件以上のリステリア症のアウトブレイクがサーモン製品に関連しています。原因食品が特定されなかったアウトブレーク事例も含むと、スモーク魚を原因とするリステリア感染症の件数ははもっと上がるのではないか危惧されています。

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■ 世界最新ニュースと最新論文
中国における妊婦やその他の人々のリステリア菌食中毒と食べ物の関係

中国では、現時点で、リステリア菌によるアウトブレイクは確認されていません。したがって、リステリア菌と食べ物との関係についてほとんど分かっていません。この状況は日本と似ています。しかし、病院レベルの調査ではリステリア感染患者は、妊婦を中心に数多く確認されています。この点も、日本の状況と同様です。このたび、中国人のリステリア菌感染にとって危険な食べ物や食生活習慣の一端が明らかになりました。北京疾病予防管理センターのニウ博士らの報告(2022年2月出版)です。

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