米国FDAがリステリア・モノサイトゲネスではなくリステリア属菌の環境モニタリングを推奨する理由とは?新着!!
食品製造工場における環境モニタリングプログラムでは、Listeria monocytogenesの検出が重要視されています。しかし、米国FDAのガイドラインでは、まずリステリア属菌を指標菌としてモニタリングを行うことで十分な効果が得られるとされています。本記事では、リステリア属菌のモニタリングが推奨される理由と、米国における具体的な事情について詳しく解説します。
微生物の定性検査結果から菌数を推測 ②- 対数正規分布と標準偏差活用ガイド
食品の安全性評価に不可欠な微生物濃度の精密推定は、統計学の力を借りて正確性を担保できる。特に、ランダムに発生する微生物の分布を予測するポアソン分布と、豊富なデータからの統計量を活用する対数正規分布の理解は、食品中の微生物濃度を正確に求める上で欠かせない。前記事でポアソン分布に基づく予測法を解説した。今回はデータが豊富な場合に適用される対数正規分布に焦点を当て、その使い方を解説する。この知識を武器に、微生物検査結果の解釈にに一層の厳密さを身に着けよう。
微生物の定性検査結果から菌数を推測①-ポアソン分布公式でやてみよう
食品の品質管理には、初期の微生物数を正確に把握することが不可欠である。食中毒菌の濃度をどのように推測するかは、食品の安全性と消費期限の設定に直結する。この記事では、定量法が困難な場合でも、定性検査の結果を基に菌数濃度を見積もる統計的アプローチについて、数的処理が苦手な人でもわかるように解説する。読者の食品企業が直面する日々の課題に対する実践的な解決策を提供する。
遂に中国で初めてリステリア食中毒原因食品が特定された!
中国もこれまで日本と同様、リステリア感染症は病院では多数症例が見られるものの、 その原因食品が疫学的解析で明確に特定された事例は存在していませんでした(日本では2001年の北海道のソフトチーズ事例のみは食中毒として原因食品特定)。この度、中国で初めてリステリア症の原因食品が特定されました、その事例を紹介します。
米国初、カリフォルニア州で食品の消費期限設定が義務化
以前、このブログでEUや日本における消費期限や賞味期限の考え方について紹介しました。では、米国ではどうでしょうか? 実は驚くべきことに、これまで米国では消費期限や賞味期限の表示が法律で義務化されていませんでした。しかし、今回カリフォルニア州が米国で初めて、期限表示の法制化に踏み切りました。本記事ではその詳細についてご紹介します。
マクドナルドのO157事件再び:タマネギが疑われる今、そのリスクを検証する
1980年代初頭、アメリカで初めて大腸菌O157による食中毒が発生したとき、その原因はハンバーガーでした。公式には「レストランチェーンA」として報告されていますが、多くの情報源がこのレストランがマクドナルドであったと指摘しています。この事件では、肉の加熱不足が疑われており、それがO157のリスクを一般に認識させる契機となりました。40年以上が経過した今、再びマクドナルドでO157による食中毒が発生し、今回はタマネギが原因と「推測」されています。しかし、現時点ではタマネギが確定したわけではなく、FDAの調査はまだ続いています。今回は、過去の事例と現在の事件を比較し、タマネギのリスクについて考察していきたいと思います。
EUが動く!全ゲノム解析義務化で食中毒菌対策が新時代に突入
本ブログでは、米国やEUを中心に進展する食中毒菌対策の最前線を追っています。2013年、EU加盟国では全ゲノム解析(WGS)によるルーチンサーベイランスを導入した国はゼロ。しかし、2017年にはその数が20カ国に増え、 […]
食品の殺菌におけるF0値について超わかりやすく解説します!
食品殺菌の理論について混乱する入門者の皆様、その心配はもう不要である。D値、Z値、そしてF値という専門用語がややこしく感じるかもしれないが、今回の記事ではF0値を超簡単に理解できるように説明する。殺菌理論が苦手という人ほど、この記事は役に立つだろう。さらに、具体的な応用例として、日本のレトルト殺菌法(120°Cで4分間)が国際基準のF0値にどのように換算され、ボツリヌス菌に対する安全性(F0=3)が保証されているかも一緒に探求する。この記事を通じて、殺菌理論の基本が理解でき、実践的な知識が得られるだろう。