微生物食中毒全般

微生物食中毒全般
胃の役割:食中毒感染を防止するための重要性

 胃酸のpHは2.0程度なので、食べ物と一緒に胃の中に入ってくる病原微生物を殺菌する力があります。このことから、胃酸は、ヒトの食中毒菌感染を防ぐのに役に立っていると考えられています。しかし、実はこれを直接的に証明するデータはありません。もちろん、人のボランティア実験は行うことができません。また動物を用いた実験データも実はほとんど存在していません。今回紹介する記事は、確かに胃酸の存在が感染型食中毒の感染防除に役立っているということを実験的に証明した事例です。

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ポイントカード利用で腸管出血性大腸菌アウトブレイクの原因究明(フランス)

 食中毒菌の原因食品の追求の疫学調査は、患者の聞き取り調査記憶によって実施されます。しかし、食中毒にかかるまでに日数が経っていたり、さまざまな食品を、大量に消費していたりする消費者の記憶を辿ることはしばしば困難です。そこで消費者履歴を正確に記録しているポイントカードを使う試みが 行われ始めています。本記事では、ポイントカードを使って腸管出血性大腸菌の原因食品を究明したフランス国立公衆衛生庁の事例を紹介します。

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お客様のポイントカードのデジタル情報を利用した食中毒の発生原因の疫学調査(米国)

AIや電子情報、デジタル情報を食中毒事件の原因菌や原因食品の解明などの原因究明に活用できないでしょうか?今回はその例を紹介します。お客様のポイントカードの履歴のデジタル情報を食中毒事件の疫学調査に活用した事例です。

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 食中毒の原因菌ごとの患者数ランキングの推定(米国)

1国の食中毒患者数(罹患者数、入院者数、死者数)の総数や事件数ランキングを推定することは、そう簡単なことではないようです。今回紹介する論文は、 米国疾病予防管理センターのスキャラン博士らのグループが、食中毒統計における統計資料、能動的サーベイランス、受動的サーベイランスおよびその他のデータから、原因菌ごとに米国でおきている食中毒患者数の推計を行ったものです。

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サラダ及び生野菜による細菌性食中毒統計(米国)

今回は、サラダおよび生野菜が起こすノロウィルス、腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌による食中毒事件について米国CDC のハーマン博士らがまとめた総説を紹介します。この総説は、 1973年から2012年の間に米国のCDCに報告された生野菜を起因とする食中毒事例を統計的にまとめたものです。

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