過去20年間、私は食品微生物学分野の数多くの研究トピックや論文に注目してきました。特に私の視点は、食品微生物学の食品の安全性や、人への健康への影響の観点からの実用的側面に重点を置いています。記事を読むことで、関連トピックの基本的な理解を得ることがでできると思います。食品微生物入門者は、是非、基礎講座や最新ニュースの記事と合わせて読むことをお勧めします。
サルモネラ菌
■ サルモネラ菌はどうやって腸内細菌との競合に打ち勝ち、感染を引き起こすのか?
■ サルモネラ菌の血清型を次世代シークエンサーで決定ー英国では2015年からin silico MLST法を導入しています
■ 原因究明が困難な市販野菜によるサルモネラ菌広域食中毒の原因究明事例
■ サルモネラ菌の食品製造工場の乾燥ステンレス上での生存期間は?
■ 乾燥したサルモネラ菌のバイオフィルム細胞は熱処理、紫外線や各種薬剤・殺菌剤抵抗性を示すが、有機酸では死滅しやすい
■ 野菜の洗浄や殺菌で要注意!植物の葉の内部に侵入し生存・汚染するサルモネラ菌
■ サルモネラ菌はどのようなメカニズムで植物の葉っぱの内部に侵入するのか?
■ オランダ史上最悪のサルモネラ大規模食中毒の原因食品としてのスモークサーモン(2012年)
■ Salmonella血清型Enteritidis 世界規模の大規模食中毒拡散(パンデミック)株の起源が分かった!
■ 食中毒菌サルモネラ菌の感染力を逆手にとって、癌の最新治療法として利用
■ 台所でのサルモネラ交差汚染の危険性:鶏肉の正しい取り扱い方法とは?
■ 米国のサルモネラ規制基準:鶏肉中の菌数と血清型の科学的根拠を探る
ノロウィルスおよびその他ウィルス関連
■ ノロウィルスの排出期間や感染力は無症状な調理従事者でも感染者と同じなので、うつる可能性あり
■ ノロウイルスの感染時期が冬の季節に多いのは牡蠣を食べるからではない
■ ノロウィルス感染の治療薬として抗菌薬(抗生物質・抗生剤)投与が効く?
■ ノロウィルスの腸内感染メカニズムに腸内細菌が役割を果たしている
■ ノロウィルス感染メカニズムや予防・治療研究の悲願ーノロウィルスの培養
■ ウィルスの変異株は免疫力が低下した回復の遅い感染者で出現しやすい
■ RNAウィルス変異株出現の理由と仕組みー中程度の免疫弱者がウィルスの変異株の出現と拡大原因となりやすい
■ 食品および包材からの新型コロナウイルスの感染リスクについて
■ 食中毒細菌の歴史を探る:1977年以降に認識された食中毒細菌シリーズの第3作、ノロウィルス
■ 食中毒の裏側:米国レストランでの発生原因、従業員の健康状態が鍵を握る
■ レストランでのノロウィルス防除のベストプラクティスとは?
カンピロバクター
■ 鶏肉の冷蔵肉や冷凍肉ではカンピロバクターの生存期間はどれくらいなの?
■ 1977年以降に人類が認識した食中毒細菌、その歴史とは?(カンピロバクター編)
■ 牛肉のカンピロバクター食中毒リスク!焼肉店での事例から考える
■ 井戸水と湧き水:カンピロバクター食中毒の隠れたリスクを徹底解説
■ 米国における生ガキによるカンピロバクター食中毒:水産物の知られざる危険
■ 家庭での生鶏肉調理:交差汚染のリアルリスクとカンピロバクター
腸管出血性大腸菌
■ 腸管出血性大腸菌O157感染症の感染経路として、牛肉とは無関係な事例(クッキーの生地)
■ 腸管出血性大腸菌感染症は家畜と無関係の食品を感染源とする感染経路の可能性はどれくらい高い?
■ 腸管出血性大腸菌O157はどのような場合、畑の土壌中で長期間生残するのだろうか?
■ 腸管出血性大腸菌(STEC)の ベロ毒素(志賀毒素)は牛の腸内で原生動物からの捕食から逃げ、生存するためにある?
■ 葉物野菜を感染経路とする腸管出血性大腸菌食中毒の10年間統計(米国およびカナダ)
■ スズメなど野鳥が葉物野菜の腸管出血性大腸菌の汚染源になり得るか?
■ 腸管出血性大腸菌(EHEC):その発見と研究の壮絶な道のり【新しい食中毒細菌研究史3部作・第2話】
■ 腸管出血性大腸菌O26はO157と比べるとどれくらい危険?
セレウス菌
■ セレウス菌食中毒の原因の毒素(嘔吐毒)セレウリドの本来の目的はイオノフォアとしての抗生物質
■ 炊飯米の冷却におけるセレウス菌の危険:食中毒を防ぐための正確な温度と時間
ビブリオ
■ 腸炎ビブリオ菌やコレラ菌のヒトへの病原性を特徴づける遺伝子はヒトへの感染経路とは無縁の深海熱水噴出孔で進化した?
■ コレラ菌は動物プランクトンにヒトへの感染と同じ因子を使って付着する
■ 中国では過去20年間、細菌性食中毒の発生件数第1位は腸炎ビブリオ
リステリア菌
■ リステリア菌のリステリオリシンO(LLO)も元々は動物腸内や土壌での原生動物からの捕食への対抗手段?
■ 低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすか?
■ 中国における妊婦やその他の人々のリステリア菌食中毒と食べ物の関係
■ ドイツでは最もリステリア菌感染しやすい食べ物はスモークサーモンである
■ 30年間の世界・米国におけるリステリア菌の食品汚染実態と食中毒リスク:その歴史と日本の未来予測
■ 中国でのリステリア症迅速診断に革命!メタゲノム解析の成功事例
■ 米国のリステリア『ゼロ・トレランス』方式に識者から疑問の声、カナダやICMSFも懸念
■ 北京の病院で明らかになった妊婦のリステリア症の実態: 2013年~2018年の調査結果
■ 中国食品微生物規格の一大転換:リステリア規格、幅広い"Ready to Eat"対応へ
■ 仙台市のリステリア症18例解析: 世界的なデータベースとの比較
■ スウェーデンにおけるリステリア食中毒の増加:高齢化社会の新たな挑戦
■ 米国FDAがリステリア・モノサイトゲネスではなくリステリア属菌の環境モニタリングを推奨する理由とは?
黄色ブドウ球菌
■ 黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンAによる嘔吐メカニズムの解明
■ 食中毒の原因は従業員の鼻腔と手指からの黄色ブドウ球菌!イタリアの事例から学ぶ
微生物による食中毒全般
■ お客様のポイントカードのデジタル情報を利用した食中毒の発生原因の疫学調査(米国)
■ ポイントカード利用で腸管出血性大腸菌アウトブレイクの原因究明(フランス)
一般生菌数や衛生指標菌関連
■ ISO基準の一般生菌数(30°C、72時間)検査方法で、低温細菌や変敗・腐敗乳酸菌はどれくらい測定できているのか?
■ 食品の大腸菌群検査の意義や基準に対して米国でも疑問の声あり
腐敗細菌関連
■ 塩漬け白菜の微生物学的品質を決定する要因:季節と流通温度
殺菌法
■ ブロイラーからのカンピロバクターやサルモネラ菌の除菌剤としての過酢酸製剤
■ オゾン水は手の消毒にアルコールと同じ殺菌効果があり、手荒れが無い
増殖制御・消費期限
■ ナイシンと有機酸の組み合わせでリステリア菌を制御!調理済み食品の安全性を向上させる方法
■ スモークサーモンのリステリア増殖を抑える方法とは?サーモン寿司にも注意が必要な理由
■ 消費期限VS賞味期限:EFSAが提供する明確なガイドラインと便利なフローチャートで判断を簡単に!
■ 英国における消費期限切れ食品への意識:消費者と事業者の視点
遺伝子に基づく微生物検査法
■ 次世代シークエンサーを応用した食中毒原因細菌の解析(米国GenomeTrakrプロジェクト)の劇的成果
HACCPと微生物検査
■ HACCP管理者が学ぶ米国FDAの警告シリーズ❶:A社(パン製造工場)
食品工場衛生管理における微生物検査ー環境モニタリング
■ 16S rRNAアンプリコンシーケンスによる粉ミルク工場の細菌叢解析
■ 食品製造施設におけるATP検査と微生物検査の有効性:豆腐製造施設のケーススタディ
■ 食品工場の環境モニタリングにおける拭き取り検査ツールの性能比較と最適選択法
■ 食品工場の環境微生物モニタリングプログラムのフランスでの普及状況は?
■ 工場環境モニタリング指標として大腸菌群や一般生菌数はリステリア・モノサイトゲネスの代用になるか?
薬剤耐性菌
■ シリーズ:薬剤耐性菌問題に食品産業はどのように取り組むべきか?
■ 薬剤耐性菌(ESBL産生菌)による院内感染が病院食堂の食品からおきた
■ 鶏肉由来の薬剤耐性菌はヒト腸内菌に薬剤耐性遺伝子をプラスミド伝播により伝える
腸内細菌、ヒト常在菌
■ 人の精神や脳の働きにも腸内フローラが影響する(発達障害・自閉症の場合)
■ 腸内細菌が食物繊維からつくる短鎖脂肪酸の酪酸が腸の炎症を抑制する
■ 抗生物質が体から抜けるまでと抜けた後に腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすか?
■ 家庭の常在菌