リステリア
リステリア関連の論文です
スモークサーモンのリステリア増殖を抑える方法とは?サーモン寿司にも注意が必要な理由
スモークサーモンによるリステリア食中毒は、特にEUで頻発している問題です。しかし、サーモン加工工場でのリステリア菌の二次汚染を完全に防ぐことは困難です。そこで、流通段階でのリステリア増殖を抑制する方法が求められています。本記事では、スイスのチューリッヒ大学のエイチェール博士が提案する、高濃度(30%)の乳酸ナトリウム(NaL)を冷製スモークサーモンに注入する方法を紹介します。さらに、サーモン寿司においてもリステリアに注意が必要な理由を解説します。
ナイシンと有機酸の組み合わせでリステリア菌を制御!調理済み食品の安全性を向上させる方法
リステリア菌は食品工場での混入リスクが高いことで知られていますが、本菌は食品製造工場でバイオフィルムを形成しやすく、調理済み食品(RTE)製品への混入の完全防止は必ずしも容易ではありません。そこで米国で注目されているのが、流通段階でのナイシンと有機酸を組み合わせた制御方法です。本記事では、この方法が調理済み食品のリステリア菌制御にどのように役立つかを解説します。RTE製品の安全性を高めるために、ぜひ一読してみてください。
米国のリステリア『ゼロ・トレランス』方式に識者から疑問の声、カナダやICMSFも懸念
米国では、すべての調理済み食品に対してリステリア菌の「ゼロ・トレランス」方式が採用されていますが、米国やカナダ、ICMSFなどの専門家たちからはこの方式について疑問の声が上がっています。特に、多くの食品がリコールされる結果となっているため、2021年にはこれらの識者たちから共同提言が出されました。本記事では、彼らが指摘する問題点や提言内容について詳しく解説します。
中国でのリステリア症迅速診断に革命!メタゲノム解析の成功事例
リステリア菌に感染した患者は、脳髄膜炎や意識障害を発症することがあり、迅速な抗生物質投与が必要です。しかし、現在の診断方法には問題があります。例えば、血液からの培養では陽性率が低い場合や結果が出るまでに時間がかかるということがあります。しかし、中国・蘇州大学病院のリー博士らが、メタゲノム解析を使用することで、患者の血液や髄液から直接リステリア症を正確かつ迅速に検出することに成功しました。この記事では、その成功事例を紹介します。
30年間の世界・米国におけるリステリア菌の食品汚染実態と食中毒リスク:その歴史と日本の未来予測
リステリア菌は、どのような種類の食品で汚染率が高く、どのような種類の食品で食中毒を起こしているのでしょうか?本記事は、世界および米国で50万サンプル以上の統計をまとめた最新論文から、リステリア菌が多い食品やそのリスク、そして日本の未来予測について解説します。
病院提供のサンドイッチで低濃度汚染でもリステリア症
リステリア症患者の 92% は、1食あたり 105 cfu を超える摂取量に起因すると推定されています。したがって、1g当たり100cfu以下の低濃度では、健常者はリステリア症にならないと考えられています。しかし、基礎疾患のある人はこの限りではありません、この記事では、病院食として用いられていたサンドイッチに低濃度にリステリア菌が汚染していたため、入院患者がリステリア症になった英国事例を報告します。
エノキダケとリステリア食中毒
日本と欧米とでは食生活が異なるのでリステリア食中毒はおきにくいと考えている人も多いと思います。ところが、日本、韓国、中国などの東アジア特有の食文化の食材が海を渡って米国でリステリア食中毒を起こしています。それはエノキダケです。最近では、米国にもこれらの国々から輸出されています。本記事では、米国での輸入エノキダケによる食中毒についてまとめてみました。
低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすか?
低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすのでしょうか?妊婦が食べたらどうなるでしょうか?基礎疾患のある高齢者の場合は?2015年米国でアイスクリームによるリステリア菌食中毒がおきました。この食中毒事件により、アイスクリームによるリステリア菌食中毒の発症菌量に関して興味深い事実がわかりました。本記事ではこれを紹介します。
リステリア菌のリステリオリシンO(LLO)も元々は動物腸内や土壌での原生動物からの捕食への対抗手段?
リステリア菌はヒトに感染すると、腸管上皮細胞に侵入し、免疫機構としてのマクロファージなどのからの捕食でも細胞内寄生により回避するという巧妙な感染メカニズムで人にリステリア菌感染症をおこします。特に妊婦の流産や高齢者の敗血症や髄膜炎などの重篤な症状をおこします。リステリア菌の感染で重要な因子がリステリオリシンO(LLO)です。今回紹介するのは、ロシア医科学アカデミーのプッシュカレバ博士らの研究で、リステリオシンが、もともとは、リステリア菌と自然生態系での細菌の捕食者である繊毛虫テトラヒメナと捕食を巡る関係において進化したことを示す論文です。