腸内細菌、ヒト常在菌

腸内細菌、ヒト常在菌
ショッピングカートは微生物の温床?

 前回の記事で携帯電話の微生物汚染についてご紹介しましたが、ショッピングカートの微生物汚染についてお伝えします。アリゾナ大学のゲルバ博士らによると、日常的な消毒が見落とされがちなショッピングカートは、清掃員が頻繁に清掃する公衆トイレやおむつ交換台の表面よりも多くの細菌が存在しているようです。この研究結果により、私たちの健康に与える影響を考えさせられます。今回の記事では、その詳細と対策方法についてお伝えします。

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携帯電話にはどんな微生物が付着しているの?

日常的に使っている携帯電話には、知らないうちに数多くの微生物が付着しているかもしれません。一体どのような微生物がそこに潜んでいるのでしょうか?また、携帯電話が病原微生物の感染原因になる可能性はあるのでしょうか?ここでは、2005年から2019年にかけて出版された研究結果を基に、携帯電話に付着する微生物の実態に迫ります。 

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腸内細菌、ヒト常在菌
乳児の牛乳アレルギーの原因に腸内細菌が関係している

先進国におけるアレルギー患者の増加を説明する一つの仮説として、抗生物質の誤用、食生活の変化などの21世紀の生活習慣が腸内細菌群を変化させているからだと考えられています。今回紹介する論文は、子供の牛乳アレルギーに腸内細菌の存在が密接に関わっていることを明らかにしています。

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腸内細菌、ヒト常在菌
ヒトとペットが共有する皮膚の常在菌

 ヒト常在菌の差異の要因としては、(遺伝的)血縁関係、食生活、年齢などが考えられています。しかし、私たちの周囲の環境、つまり私たちが交流しているペットもまた、ヒトの常在菌に影響を与えている考えられます。コロラド大学のソング博士らは、60家族の糞便、口腔、皮膚の微生物叢を調査しました。

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カンピロバクター
腸内細菌叢の多様性が不足するとカンピロバクター腸炎になりやすい

腸内細菌叢が多様なら外来病原菌を駆除する能力があるのではないかと、一般的には推測されています。しかし、このことを実際に科学的な観点からデータを示した報告は多くは存在しません。特にヒトに関しては殆どデータがありません。今回紹介する論文は、このことを科学的なデータで示した例です。カンピロバクター腸炎に関する報告です。ボランティア実験者の腸内細菌を調べた結果、やはり腸内細菌の多様性がある人の方がカンピロバクター腸炎にはなりにくいようです。

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家庭の常在菌

 人間や建築物の環境に生息する常在菌についての研究は、驚くほど少ないのが実情です。シカゴ大学のラックス博士らは、家庭環境に関連する常在菌の集中的な縦断的分析を行い、2014年にScience誌にその成果を発表しました。家庭環境の常在菌は各家庭で大きく異なり、家の住人である人の手の皮膚の常在菌によって影響されていることがわかりました。

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腸内細菌、ヒト常在菌
周辺環境の生物多様性が皮膚の常在菌とアトピー性皮膚炎に与える影響

アトピー性皮膚炎は、乾燥してバリア機能の低下した皮膚にダニ、ほこりなどの様々なアレルゲンが侵入して起きると考えられています。しかし、詳しい原因はわかっていません。アトピー性皮膚炎の原因の一つとして、私たちの身の回りの生物の多様性の減少に結びつける考え方があります。人々が自然環境や生物多様性と接触する機会が減ることで、人間の常在微生物叢とその免疫調整能力に悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、健常者と比較して、アトピー患者は、自宅周辺の環境の生物多様性が低く、皮膚上の細菌叢の多様性も有意に低いことを示す論文を紹介します。

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ウイルス性呼吸器感染がサルモネラの腸内感染を容易にする

 呼吸器感染ウイルスは呼吸器系のみで増殖します。しかし、感染者は嘔吐や下痢などの消化器症状を呈することもあります。なぜ、呼吸器系の感染が、腸管でのこのような症状を起こすことがあるのでしょうか?その分子機構は未だ解明されていません。

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抗生物質が体から抜けるまでと抜けた後に腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすか?

 私たちは、お医者さんから抗生物質を投与されることがあります。処方された抗生物質が体から抜けるまでと、抜けた後に腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすのでしょうか?抗生物質投与中には腸内細菌は全滅してしまうのでしょうか?この記事では、抗生物質(この場合はシプロフロキサシン)に投与する前、投与中、投与後の3人の被験者の腸内細菌叢の組成を経時的に調査した結果を紹介します。

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腸内細菌が食物繊維からつくる短鎖脂肪酸の酪酸が腸の炎症を抑制する

 潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の原因は様々ですが、ポイントは、腸管上皮細胞のバリア性を健康に保つかことです。ではどのような食事をすれば、腸管上皮細胞のバリアを健全に保つことができるのでしょうか?今回紹介するのはそのヒントとなる論文です。 腸内細菌が食物繊維からつくる短鎖脂肪酸の酪酸が炎症性腸疾患の発症を防ぐ役割があることを⽰す2つの論文を紹介します。

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