カンピロバクター
焼き鳥でカンピロバクターとサルモネラの同時感染新着!!

厚生労働省が、生食用鶏肉の衛生管理に関する全国的なガイドラインを策定する方針であることが、2026年7月2日にNHKで報じられました。ガイドラインの具体的な内容はまだ明らかになっていませんが、食品会社の品質管理担当者の間でも、生食用鶏肉とカンピロバクターへの関心が高まっているのではないでしょうか。

 そこで今回は、ガイドラインそのものの解説ではなく、鶏肉に関連した少し珍しい症例報告を紹介します。一人の患者が、鶏肉に関係する代表的な二つの食中毒菌、カンピロバクターとサルモネラに同時に感染した事例です。東京都立多摩総合医療センターの医師らが報告したものです。

続きを読む
お知らせ
今週のブログ更新について

親愛なる読者の皆様へ、

 いつも当ブログをご愛読いただき、心より感謝申し上げます。

通常、毎週月曜日に新しい記事をお届けしておりますが、今週は業務が立て込んでいるため、ブログの更新をお休みさせていただきます。

来週以降は、また通常どおり食品微生物に関する話題をお届けしてまいりますので、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。

続きを読む
お知らせ
海の日(休日)のためブログ更新はお休みとなります

7月15日(月)は海の日(休日)のためブログ更新はお休みさせていただきます。

続きを読む
■ 世界最新ニュース
EU新リステリア規則、なぜ生まれたのか——一つの食品事故とひとつの判決の物語

6月29日公開記事の後半部分では、2026年7月1日に施行されたEUのリステリア新規則(Regulation (EU) 2024/2895)について、そのポイントを解説しました。「リステリア菌が増殖可能な食品」について、消費期限中に100 cfu/gを超えないことを製造業者が証明できない場合、流通・販売段階の製品にも25g中不検出という厳しい基準が適用される、というのが今回の改正の核心でした。
 今回はその補足として、「なぜこのような改正に至ったのか」という背景を掘り下げてみたいと思います。実はこの改正の背景には、ある一つの食品事故と、それをめぐって争われたEU司法裁判所(CJEU)の判決があると考えられています。今回はその事件の概要をご紹介したうえで、この判決がどのように今回の改正につながったと考えられるのかを整理します。

続きを読む
■ 世界最新ニュース
インスタントラーメンでサルモネラ食中毒?—EFSAが報告した多国間アウトブレークと低水分食品リスク

2026年6月30日、EFSA(欧州食品安全機関)がインスタントラーメンを原因食品とするサルモネラの多国間アウトブレイクについて報告書を公表しました。即席麺を原因食品とするサルモネラ食中毒事例は、少なくとも筆者が確認した範囲では過去に前例が見当たりません。加熱調理を前提とする食品でのサルモネラ事例として、整理しておく価値があります。

続きを読む
基礎講座ー微生物の増殖条件とその制御
EUリステリア新規則施行直前:リステリア菌を「増殖させない食品」とは何か?—pH・水分活性・保存期間から考えるRTE食品のカテゴリー分類

2026年7月1日、EUにおけるRTE食品のListeria monocytogenes規則の改正施行が、いよいよ目前に迫っている。今回の改正で特に重要なのは、「リステリア菌が増殖可能な食品」について、製造業者が消費期限末までに100 cfu/gを超えないことを科学的に示せない場合、より厳しい25g中不検出の基準が流通・販売段階にも適用される点である。

 では、そもそも「リステリア菌が増殖可能な食品」と「増殖を支持しない食品」は、どのように区別されるのだろうか。ここを理解しないままEUの100 cfu/g基準だけを見ると、「EUはリステリアを100 cfu/gまで認めている」という誤解につながりやすい。そこで本記事では、EUの微生物基準の基本規則である Regulation (EC) No 2073/2005 に立ち返り、リステリア菌の増殖を支持しない食品とは何かを、pH、水分活性、保存期間などの観点から整理する。

続きを読む
■ 世界最新ニュース
粉末サプリでもサルモネラ食中毒は起きる―米国で相次いだモリンガ葉粉末関連アウトブレークから考える、健康食品原料の盲点

「サプリメントで食中毒」と聞くと、多くの方は少し意外に感じるかもしれません。食中毒といえば、肉、卵、魚介類、弁当、惣菜、サラダなど、水分が多く、細菌が増えやすい食品を思い浮かべるのが普通でしょう。一方、粉末サプリメントやカプセル製品は乾燥しており、水分活性も低い。微生物が増えにくい食品です。

しかし、2025年秋から2026年にかけて、米国ではモリンガ葉粉末またはモリンガ粉末を含むサプリメントに関連した サルモネラアウトブレークが複数報告されています。これらは同一事件の単なる続報ではなく、FDAおよびCDCは、関与した製品、ブランド、サルモネラ の血清型などに基づいて、別個のアウトブレークとして整理しています。これらは「粉末だから安全」「カプセルだから食中毒とは無縁」とは言えないことを示す事例です。天然由来の植物粉末を原料とする健康食品では、微生物が製品中で増えにくくても、原料段階でサルモネラが混入していれば、摂取時の感染リスクは現実に残ります。

続きを読む
■ 過去20年間の注目論文
乳児ボツリヌス症は蜂蜜だけではない:2025年米国の粉ミルク関連アウトブレークから何を学ぶか

乳児ボツリヌス症と聞くと、多くの食品関係者がまず思い浮かべるのは「蜂蜜」でしょう。1歳未満の乳児に蜂蜜を与えてはいけない、という注意喚起は広く知られています。しかし2025年から2026年にかけて、米国で乳児用粉ミルクに起因する乳児ボツリヌス症のアウトブレークが発生し、2026年2月に終息が宣言されました。そして2026年6月、FDAはこの事例の事後対応に関する概要を公表しています。

 実は粉ミルクと Clostridium botulinum との関連は、過去にも散発的に報告されてきました。ただし、単一製品に起因する規模のアウトブレークとして確認されたのは、これが世界で初めてのケースです。本稿では、この事例を振り返りながら、芽胞形成菌という観点から食品安全管理上の論点を整理します。

続きを読む
食品工場衛生管理における微生物検査ー環境モニタリング
環境モニタリングの盲点—「綿棒でいつも陰性」は本当に安全?最新論文から学ぶサンプリング設計の最適化

最近、日本の食品企業でもEMP(環境モニタリングプログラム)に取り組む会社が急速に増えてきています。HACCPの定着や国際認証への対応から、環境中のリステリア対策を本格化させているQC担当者の方も多いのではないでしょうか。今回はそのタイムリーなテーマに関する論文を紹介します。スペインのバレンシア工科大学のグループが2026年4月に発表した、RTE食品工場におけるリステリア環境モニタリングの採取デバイス比較研究です。「拭き取り検査といえば、昔から使い慣れている綿棒(スワブ)で十分」と思っている現場にこそ、ぜひ知っていただきたい情報を提供します。

続きを読む
■ 過去20年間の注目論文
黄色ブドウ球菌食中毒はなぜ繰り返されるのか——2つの海外研究が示す「工場管理の盲点」

 先週、峠の釜めしで知られる荻野屋の商品を原因とする黄色ブドウ球菌食中毒が報告されました。被害規模は限定的でニュースとしては小さな扱いでしたが、食品工場のQC担当者にとってこうした事例は決して他人事ではありません。黄色ブ […]

続きを読む