お知らせ
今週ブログ更新について新着!!

 いつも当ブログをご愛読いただき、心から感謝申し上げます。通常、毎週月曜日に新しい記事をお届けしておりますが、現在、緊急の業務に集中しているため、今週のブログの更新を見送らせていただきます。

 皆様の温かいサポートに感謝し、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。

続きを読む
基礎講座ー食品安全性における微生物の国際基準・規格
絡み合う規則の迷宮!米国食品の微生物基準を解き明かす

 世界には『コーデックス食品基準委員会』による国際標準が存在し、多くの国々がこれを基に自国の食品安全基準を設定している。特にEUでは、これをさらに発展させて統一されたEU基準を設定している。日本も、食品衛生法に基づく明確な基準を適用している。一方で、米国では独自のアプローチを採用しており、法的拘束力を持つ連邦法の規定は限られている。その代わりに、「民生品目記述票(CID)」などの政府調達における品質基準やFDAのガイダンス文書などを中心にしたシステムが採用されている。この記事では、米国独自の食品微生物規格の構造の説明と、それがどのように適用されているのかを、分かりやすく解説する。読み進めることで、食品微生物学入門者の読者にとって、米国の食品安全規格の世界とその理由を理解できるようになるだろう。

続きを読む
■ 食品微生物の基礎講座
初心者向け: ISO法による大腸菌検査の酵素基質培地法 - シンプルに解説

EUでは食品中の大腸菌の検査に、酵素基質培地法が一般的に採用されている。日本の食品業界でもこの方法に注目が集まり、多くの企業が自主検査に導入している。では、培地の選び方や培養温度は?本記事では、国際的に認知されたISO標準法に基づく大腸菌の検査手法を詳しく解説する。

続きを読む
基礎講座ー食品安全性における微生物の国際基準・規格
食品微生物学入門者のためのガイド:コーデックス、ISO、EU/米国規則の理解と位置づけ

新入社員や食品微生物学の初学者が直面する最初の課題の一つは、コーデックス、ISO、EU規則、FDAやBAMなど、食品安全に関わるさまざまな国際的な規則とその複雑な関係性の理解だ。これらのキーワードの意味と、それらが食品微生物安全においてどのように組み合わさり、相互にどのような役割を果たしているのかを把握するのは、多くの入門者にとってはとても難しい挑戦となる。しかし、心配は無用だ。この記事では、コーデックスやISOなどの国際規則と、EUや米国のような地域規則との間の独特な関係に光を当て、例え話を交えながら、入門者がこれらの位置づけを理解しやすくするための説明を行う。

続きを読む
増殖制御・消費期限
英国における消費期限切れ食品への意識:消費者と事業者の視点

消費期限と賞味期限、消費者にとって紛らわしい言葉ですね。この事情は英国でも同じようです。消費期限を超えた食品を販売することについて日本より厳格な法的枠組みを持つ英国。その英国における一般消費者と食品事業者がどのような視点を持っているかについて本記事では紹介します。 2023年11月に英国食品基準庁が発表した消費期限切れ食品に関する消費者と事業者の意識調査結果を詳しく解析し、具体的な事例と共に紹介します。

続きを読む
増殖制御・消費期限
EFSAによる消費期限設定法ガイドライン

前の記事では、EUの食品事業者が自社製品に賞味期限と消費期限のどちらの表示を施すかについて、EFSAが示した判断基準ガイドラインを紹介しました。この記事では、消費期限表示が適用される場合に、どのような日数を消費期限に設定すべきかに関するEFSAのガイドラインの内容について説明します。

続きを読む
増殖制御・消費期限
消費期限VS賞味期限:EFSAが提供する明確なガイドラインと便利なフローチャートで判断を簡単に!

自社の製品について、賞味期限と消費期限、どちらを製品に設定するべきか迷う食品事業者も多いと思います。EUの食品事業者も同じ悩みを抱え、欧州食品安全機関(European Food Safety Authority、EFSA)にガイドラインの作成を依頼しました。2020年に発行されたこのガイドラインは、食品事業者が一目で製品のどちらの期限を設定すべきかを判断できる直感的なフローチャートを提供しています。この記事では、EFSAの提供する分かりやすいガイドラインとその具体的な内容について詳しく解説します。どの製品にどの期限を設定するか、このフローチャートで簡単に理解できます!

続きを読む
リステリア
仙台市のリステリア症18例解析: 世界的なデータベースとの比較

 日本におけるリステリア症では、原因食品が特定された食中毒事例は1例に限られますが、原因食品不明のリステリア症の患者は病院でしばしば発生しています。仙台市も例外ではなく、2006年から2019年までの13年間に仙台市内の病院で報告された18例のリステリア症患者のゲノムを世界のデータベースと比較した結果、食品や重篤な症状の原因となるリステリア菌株と、仙台の臨床株との間には密接な関係があることが判明しました。

続きを読む
リステリア
中国食品微生物規格の一大転換:リステリア規格、幅広い"Ready to Eat"対応へ

米国やEUでは「Ready to Eat」食品全てにリステリア・モノサイトゲネスの規格基準が設定されているのに対し、日本は生ハムやチーズに限定されています。では、北東アジアの隣国、中国はどうなのでしょうか?実は、中国でもこれまでは、肉製品に限定された規格でしたが、2021年の大幅な微生物規格改正により、水産、野菜・果実、飲料など、広範な「Ready to Eat」食品でリステリアに対する微生物規格基準を導入しました。本記事で、その舞台裏を詳しく探ります。

続きを読む
ノロウィルスおよびその他ウィルス関連
ノロウィルス感染防除としてのトイレ徹底洗浄

ノロウイルスはレストラン、ready to eat 食品の製造現場、オフィス、公共施設、クルーズ船や高齢者施設など、さまざまな環境での食中毒の大きなリスク要因となります。特に衛生管理が徹底されていないトイレからの感染拡大も重要な要因の一つとなります。では、ノロウイルスのアウトブレイクを防ぐためには、どのような対策が効果的でしょうか?本ブログ記事では、クルーズ船のトイレ洗浄に関する大規模な潜伏調査事例から、トイレ洗浄とノロウイルスのアウトブレイクとの関連性について考察します。

続きを読む