遂に中国で初めてリステリア食中毒原因食品が特定された!
中国もこれまで日本と同様、リステリア感染症は病院では多数症例が見られるものの、 その原因食品が疫学的解析で明確に特定された事例は存在していませんでした(日本では2001年の北海道のソフトチーズ事例のみは食中毒として原因食品特定)。この度、中国で初めてリステリア症の原因食品が特定されました、その事例を紹介します。
米国初、カリフォルニア州で食品の消費期限設定が義務化
以前、このブログでEUや日本における消費期限や賞味期限の考え方について紹介しました。では、米国ではどうでしょうか? 実は驚くべきことに、これまで米国では消費期限や賞味期限の表示が法律で義務化されていませんでした。しかし、今回カリフォルニア州が米国で初めて、期限表示の法制化に踏み切りました。本記事ではその詳細についてご紹介します。
マクドナルドのO157事件再び:タマネギが疑われる今、そのリスクを検証する
1980年代初頭、アメリカで初めて大腸菌O157による食中毒が発生したとき、その原因はハンバーガーでした。公式には「レストランチェーンA」として報告されていますが、多くの情報源がこのレストランがマクドナルドであったと指摘しています。この事件では、肉の加熱不足が疑われており、それがO157のリスクを一般に認識させる契機となりました。40年以上が経過した今、再びマクドナルドでO157による食中毒が発生し、今回はタマネギが原因と「推測」されています。しかし、現時点ではタマネギが確定したわけではなく、FDAの調査はまだ続いています。今回は、過去の事例と現在の事件を比較し、タマネギのリスクについて考察していきたいと思います。
EUが動く!全ゲノム解析義務化で食中毒菌対策が新時代に突入
本ブログでは、米国やEUを中心に進展する食中毒菌対策の最前線を追っています。2013年、EU加盟国では全ゲノム解析(WGS)によるルーチンサーベイランスを導入した国はゼロ。しかし、2017年にはその数が20カ国に増え、 […]
テーブル表面での大腸菌の生存期間はどれぐらい?
大腸菌は哺乳動物の糞便に由来するグラム陰性菌で、その環境耐性の弱さからふん便指標に利用されています。ところで、大腸菌が人の清潔でない手を介してテーブルに移ると、どれくらいの時間その場所で生き延びることができるでしょうか?この問いは、衛生管理上非常に意義深いものです。この記事では、テーブルなど固体表面上で大腸菌がどれだけの時間生き延びることができるのか、科学的研究結果を通じて解き明かします。
秋分の日(休日)に伴うブログ更新のお休みのお知らせ
親愛なる読者の皆様へ、
いつも当ブログをご愛読いただき、心から感謝申し上げます。本日は国民休日(秋分の日)のため、今週のブログの更新を休ませていただきます。
皆様の温かいサポートに感謝し、引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。
黄色ブドウ球菌保菌者の割合は?その実態と原因解明
前記事では、イタリアの食事施設の調理者が原因で黄色ブドウ球菌中毒が起きた事例を紹介しました。ここで気になるのは、一般の人々の中で黄色ブドウ球菌はどれぐらいの割合で保菌しているのかという疑問です。黄色ブドウ球菌は健康な成人の前鼻に常在する常在菌であり、世界人口の20%から30%が断続的および持続的に感染していると言われています。本記事では、その保菌率やなぜ保菌してしまうのかの原因についての詳細な実態を解明します。黄色ブドウ球菌の保菌に関心がある方必見です!