■ 過去20年間の注目論文

ノロウィルスおよびその他ウィルス関連
過去の事例から学ぶ:数日でホテル全体に広がったノロウイルス感染、始まりは1人の従業員(2021年スペイン)

 ノロウィルス感染は、ホテル、病院、クルーズ船、学生寮などの閉鎖的な空間で、1人の感染者から爆発的に拡大することがあります。ノロウィルスの唯一の宿主は人間であり、増殖場所は人の腸内のみですが、吐物や糞便を通じて環境に放出されると、環境中では非常に安定しています。これにより、水、食物、表面、嘔吐物、対人感染など多くの感染経路を通じて広がります。今回の記事では、スペインのリゾートホテルで一人の従業員から爆発的にホテル内に拡散したノロウィルス食中毒の事例を紹介し、その対策について詳しく解説します。

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■ 検査法関連
スペインでもリステリア食中毒の増加:高齢化社会の新たな挑戦

以前、スウェーデンでリステリア食中毒が高齢化社会に伴い増加していることを紹介しました。本記事では、スペインに関しても同様の報告が2024年に出版されていますので紹介します。2001年から2021年までの過去20年間におけるスペインでのリステリア症感染者数およびその患者の内訳について、詳細な統計データが収集されました。その結果、過去20年間でリステリア症患者は増加傾向にあることが確認されました。特に注目すべきは、妊婦や健康な人の患者数に比べて、高齢者および基礎疾患を持つ患者数の増加が顕著である点です。スペインも他のEU諸国と同様に高齢化が進んでおり、高齢化に伴ってリステリア症のリスクがますます高まっているようです。

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リステリア
米国FDAがリステリア・モノサイトゲネスではなくリステリア属菌の環境モニタリングを推奨する理由とは?

 食品製造工場における環境モニタリングプログラムでは、Listeria monocytogenesの検出が重要視されています。しかし、米国FDAのガイドラインでは、まずリステリア属菌を指標菌としてモニタリングを行うことで十分な効果が得られるとされています。本記事では、リステリア属菌のモニタリングが推奨される理由と、米国における具体的な事情について詳しく解説します。

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一般生菌数や衛生指標菌
テーブル表面での大腸菌の生存期間はどれぐらい?

大腸菌は哺乳動物の糞便に由来するグラム陰性菌で、その環境耐性の弱さからふん便指標に利用されています。ところで、大腸菌が人の清潔でない手を介してテーブルに移ると、どれくらいの時間その場所で生き延びることができるでしょうか?この問いは、衛生管理上非常に意義深いものです。この記事では、テーブルなど固体表面上で大腸菌がどれだけの時間生き延びることができるのか、科学的研究結果を通じて解き明かします。

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黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌保菌者の割合は?その実態と原因解明

 前記事では、イタリアの食事施設の調理者が原因で黄色ブドウ球菌中毒が起きた事例を紹介しました。ここで気になるのは、一般の人々の中で黄色ブドウ球菌はどれぐらいの割合で保菌しているのかという疑問です。黄色ブドウ球菌は健康な成人の前鼻に常在する常在菌であり、世界人口の20%から30%が断続的および持続的に感染していると言われています。本記事では、その保菌率やなぜ保菌してしまうのかの原因についての詳細な実態を解明します。黄色ブドウ球菌の保菌に関心がある方必見です!

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■ 過去20年間の注目論文
米国のサルモネラ規制基準:鶏肉中の菌数と血清型の科学的根拠を探る

前回の記事では、米国において生の鶏肉に対するサルモネラ菌の規格基準が適用される可能性について、米国農務省の発表を紹介しました。この基準では、菌数を10 CFU/g (ml) とすることが検討されており、対象は特定の血清型(Salmonella EnteritidisやSalmonella Typhimuriumなど)に限定される見込みです。しかし、なぜこのような菌数レベルと血清型が農務省の規制対象として設定されることになったのでしょうか。今回の記事では、この米国農務省の規格基準の科学的根拠に関連する論文を紹介します。

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リステリア
スウェーデンにおけるリステリア食中毒の増加:高齢化社会の新たな挑戦

 高齢化が進む日本では、免疫力の低下した人々が増加しており、リステリアによる食中毒のリスクが高まっています。この問題は日本に限らず、ヨーロッパ各国でも共通しており、特にスウェーデンでのリステリア食中毒の増加傾向が顕著にな […]

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カンピロバクター
家庭での生鶏肉調理:交差汚染のリアルリスクとカンピロバクター

前記事で、家庭での鶏肉調理時におけるサルモネラ菌の二次汚染リスクを詳しく解説しました。多くの研究がキッチンの再現実験をベースに報告されていますが、実際の家庭のキッチンでの調理状況を詳細に観察した研究はほとんどありません。今回は、ポルトガルの12人の一般家庭での生鶏肉調理を直接観察し、交差汚染のリアルなリスクに焦点を当てた興味深い研究を紹介します。安全な調理のヒントも含め、ぜひご一読を!

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サルモネラ
台所でのサルモネラ交差汚染の危険性:鶏肉の正しい取り扱い方法とは?

生の鶏肉とサルモネラ。EUでは法的な規格基準が設定され、小売店で販売される生鶏肉のサルモネラの汚染対策が行なわれていますが、米国や日本では現時点では生の鶏肉に微生物規格基準は設定されておりません。生の鶏肉を取り扱う際、間違った方法で調理を進めると、サルモネラが他の食材や調理器具に移る「交差汚染」のリスクが増大します。この記事では、そのリスクを深堀りし、台所での安全な鶏肉の取り扱い方法を解説します。

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増殖制御・消費期限
英国における消費期限切れ食品への意識:消費者と事業者の視点

消費期限と賞味期限、消費者にとって紛らわしい言葉ですね。この事情は英国でも同じようです。消費期限を超えた食品を販売することについて日本より厳格な法的枠組みを持つ英国。その英国における一般消費者と食品事業者がどのような視点を持っているかについて本記事では紹介します。 2023年11月に英国食品基準庁が発表した消費期限切れ食品に関する消費者と事業者の意識調査結果を詳しく解析し、具体的な事例と共に紹介します。

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