代表的な洗浄剤について説明する。洗浄剤の代表的なものは大きく2つに分けることができる。1つは界面活性剤である。そしてもう1つはアルカリ洗剤である。

界面活性剤


 まずは洗浄剤としての界面活性剤は、油汚れを落とす場合に必要になる。 界面活性剤にも色々な種類があるが、基本的には水と混ざりやすい親水性官能基と油と混ざりやすい疎水性官能基の両方を持っている両親媒性の洗剤ということになる。界面活性剤による汚れの除去のシステムは、基本的に固体表面についた汚れを囲んで表面から引き離すというシステムである。


アルカリ洗剤

 一方アルカリ洗剤によるメカニズムは界面活性剤とは異なる。アルカリ洗剤による洗浄メカニズムは対象となる汚れを分解することである。 強アルカリには OH マイナスイオンが大量に含まれている。この状況ではタンパク質などが持つ共有結合が切断される。 高分子のタンパク質はより小さなペプチドにまで分解される。このようにアルカリ洗浄は、界面活性剤のように固体表面から汚れを引き離すのではなく、固体表面についている汚れそのものを分解していくわけである。