トイレ利用時のノロウイルス感染リスク:効果的な対策とは?新着!!
ノロウイルスが流行する時期、トイレに入る際の感染リスクについて考えたことはありませんか? 多くの人が利用する公衆トイレでは、便座やドアハンドルなどの接触面にウイルスが付着していたり、場合によっては嘔吐物が残っていることもあります。ノロウイルスは非エンベロープ型ウイルスであり、固体表面上に長く生存することが知られています。米国アリゾナ大学環境科学部のAbney博士が率いる研究チームの最新の研究(2024年発表)では、トイレ利用後の自動手指消毒ディスペンサー(非接触型の手指消毒器)の利用がリスク低減に最も効果的であることが示されています。食品業界の品質管理担当者にも役立つ、実践的な知識と予防策を今回のブログでご紹介します。
新潟県のボツリヌス食中毒:容器密封要冷蔵食品の落とし穴と25年前のハヤシライス事件の教訓
2025年2月、新潟県でボツリヌス食中毒が発生しました。この事件は、過去のボツリヌス食中毒とは異なり、C型ボツリヌス毒素が検出されたことが特徴です。一般的に、ボツリヌス食中毒は Clostridium botulinum I型(A, B型)やII型(B, E型)によって引き起こされますが、C型は人間の食中毒としては非常に珍しいとされています。さらに、約25年前の千葉県でのハヤシライス事件と比較すると、どちらも「密封包装された要冷蔵食品を常温保存したことが原因」で共通しています。ボツリヌス菌は酸素の少ない環境で増殖しやすいため、真空包装食品や長期間密封された食品では特に注意が必要です。本記事では、C型ボツリヌス菌の特徴、耐熱性、そして過去の食中毒事例との比較を通じて、密封包装された要冷蔵食品の管理の重要性について考察します。
今週のブログ更新はお休みさせていただきます
明日2月11日(火)は建国記念日(祝日)のため、勝手ながら3連休を取らせていただき、今週(2月10日)のブログ記事更新は、お休みにさせていただきます。
過去の事例から学ぶ:数日でホテル全体に広がったノロウイルス感染、始まりは1人の従業員(2021年スペイン)
ノロウィルス感染は、ホテル、病院、クルーズ船、学生寮などの閉鎖的な空間で、1人の感染者から爆発的に拡大することがあります。ノロウィルスの唯一の宿主は人間であり、増殖場所は人の腸内のみですが、吐物や糞便を通じて環境に放出されると、環境中では非常に安定しています。これにより、水、食物、表面、嘔吐物、対人感染など多くの感染経路を通じて広がります。今回の記事では、スペインのリゾートホテルで一人の従業員から爆発的にホテル内に拡散したノロウィルス食中毒の事例を紹介し、その対策について詳しく解説します。
2026年からリステリア規制が厳格化!EUの新基準が日本食品業界に与える影響
2026年、EUがリステリア規制を大幅に厳格化します。これまでCodex基準に基づき、賞味期限内でリステリア菌が100 CFU/gを超えないことを科学的に証明できる場合、第三基準として許容されていた運用。しかし、科学的証明が不十分な場合も多く、実質的には出荷時点での確認に留まっていました。今回の改正案では、この曖昧さが排除され、証明が困難な場合にはゼロトレランスが適用されることが明確化されています。この動きは、食品業界にとって科学的根拠の重要性を再認識させるものであり、日本食品業界にも影響を与える可能性があります。
タマネギ工場の衛生管理の問題が明らかに—マクドナルドO157事件の背景
2024年に米国で発生したマクドナルドの大腸菌O157食中毒事件。その背後には、サプライヤーであるTaylor Farmsのタマネギ工場における深刻な衛生管理の問題がありました。最近公開されたFDAの報告書では、食品接触面の清掃不足や記録管理の不備、従業員の衛生手順の欠如など、多くの問題が指摘されています。本記事では、報告書の具体的な内容を解説し、日本の食品業界が学ぶべき教訓を考察します。
スペインでもリステリア食中毒の増加:高齢化社会の新たな挑戦
以前、スウェーデンでリステリア食中毒が高齢化社会に伴い増加していることを紹介しました。本記事では、スペインに関しても同様の報告が2024年に出版されていますので紹介します。2001年から2021年までの過去20年間におけるスペインでのリステリア症感染者数およびその患者の内訳について、詳細な統計データが収集されました。その結果、過去20年間でリステリア症患者は増加傾向にあることが確認されました。特に注目すべきは、妊婦や健康な人の患者数に比べて、高齢者および基礎疾患を持つ患者数の増加が顕著である点です。スペインも他のEU諸国と同様に高齢化が進んでおり、高齢化に伴ってリステリア症のリスクがますます高まっているようです。
食品の殺菌におけるF値とF0値について超わかりやすく解説します!
食品殺菌の理論について混乱する入門者の皆様、その心配はもう不要である。D値、Z値、そしてF値という専門用語がややこしく感じるかもしれないが、今回の記事ではF0値を超簡単に理解できるように説明する。殺菌理論が苦手という人ほど、この記事は役に立つだろう。さらに、具体的な応用例として、日本のレトルト殺菌法(120°Cで4分間)が国際基準のF0値にどのように換算され、ボツリヌス菌に対する安全性(F0=3)が保証されているかも一緒に探求する。この記事を通じて、殺菌理論の基本が理解でき、実践的な知識が得られるだろう。