■ 世界最新ニュース

食品微生物分野の世界の最新注目ニュースを紹介します。

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【緊急解説】EFSAが「嘔吐毒(セレウリド)」の厳格な管理基準を決定!―乳児用ミルク事件のリスク評価詳細を読む新着!!

先週お伝えした、EU各国で発生している乳児用ミルクのセレウス菌毒素(セレウリド)汚染によるリコール事件。 今週、欧州委員会からの要請を受けたEFSA(欧州食品安全機関)が、「迅速リスク評価報告書(Rapid Risk Assessment)」を公開しました。

 原文(2026年1月30日発行)を詳細に読み解くと、今回の決定は、「毒素量ベースでの管理」へとパラダイムシフトする重要な転換点になる内容でした。 特に、汚染源の可能性や分析時の技術的注意点にも触れられており、日本の品質管理担当者にとっても見逃せない情報です。速報として解説します。

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【最新ニュース】乳幼児用粉ミルクのセレウリド汚染:グローバル供給網に潜む「死角」を考察する

先週(2026年1月下旬)、世界の食品安全関係者の間で重大な関心を集めるニュースが飛び込んできました。フランスの乳業大手ダノン(Danone)社をはじめ、ネスレ、ラクタリスといった世界的企業が、乳幼児用粉ミルクの広範囲な自主回収を開始しました。原因は、セレウス菌が産生する耐熱性毒素「セレウリド(Cereulide)」による汚染の疑いです。フランスではすでに乳児の死亡事例も報告されており、当局による厳重な捜査が進められています。なぜ、高度な品質管理を誇るはずの乳業大手が、これほど大規模な汚染を許してしまったのか。その背景には、グローバルな原材料供給網の「盲点」がありました。

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年末の米国を揺るがした「生牡蠣のサルモネラ中毒」。22州に広がる異例のアウトブレイクを読み解く

2025年末、米国で非常に珍しい食中毒事例がCDCから報告されました。生牡蠣を原因とするサルモネラ食中毒です。牡蠣による食中毒といえば、通常はノロウイルスや腸炎ビブリオが原因の大半を占めますが、今回は稀な血清型であるSalmonella Telelkebir(サルモネラ・テレルケビル)による広域アウトブレイクとして、CDCが調査を進めています。

  通常、生牡蠣の微生物リスクと言えばノロウイルスや腸炎ビブリオ/Vibrio が中心であり、サルモネラが主役として登場することはほとんどありません。 本稿では、この年末アウトブレイクを概観するとともに、生牡蠣に対する微生物規格基準が米国・EU・日本でどのように設計されてきたのか、その歴史的背景を含めて整理してみます。

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米国の鶏肉サルモネラ規制、白紙撤回──三年間の流れはなぜ逆転したのか

2022年から始まった米国の鶏肉製品に対するサルモネラ規制強化の流れは、パン粉付き製品への基準適用を経て、生鶏肉全体へと拡大される予定でした。筆者もこれまでブログ記事で順次紹介してきましたが、2025年4月、米国農務省食品安全検査局(FSIS)は生鶏肉全体への新規制案を正式に撤回しました。業界からの反発が理由と説明されていますが、その背後には政権交代による食品安全政策の大きな転換が色濃く見え隠れしています。本稿では、この逆転劇の経緯と背景を整理し、日本企業の品質管理担当者にとっての示唆を考えたいと思います。

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新潟県のボツリヌス食中毒:容器密封要冷蔵食品の落とし穴と25年前のハヤシライス事件の教訓

 2025年2月、新潟県でボツリヌス食中毒が発生しました。この事件は、過去のボツリヌス食中毒とは異なり、C型ボツリヌス毒素が検出されたことが特徴です。一般的に、ボツリヌス食中毒は Clostridium botulinum I型(A, B型)やII型(B, E型)によって引き起こされますが、C型は人間の食中毒としては非常に珍しいとされています。さらに、約25年前の千葉県でのハヤシライス事件と比較すると、どちらも「密封包装された要冷蔵食品を常温保存したことが原因」で共通しています。ボツリヌス菌は酸素の少ない環境で増殖しやすいため、真空包装食品や長期間密封された食品では特に注意が必要です。本記事では、C型ボツリヌス菌の特徴、耐熱性、そして過去の食中毒事例との比較を通じて、密封包装された要冷蔵食品の管理の重要性について考察します。

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2026年からリステリア規制が厳格化!EUの新基準が日本食品業界に与える影響

2026年、EUがリステリア規制を大幅に厳格化します。これまでCodex基準に基づき、賞味期限内でリステリア菌が100 CFU/gを超えないことを科学的に証明できる場合、第三基準として許容されていた運用。しかし、科学的証明が不十分な場合も多く、実質的には出荷時点での確認に留まっていました。今回の改正案では、この曖昧さが排除され、証明が困難な場合にはゼロトレランスが適用されることが明確化されています。この動きは、食品業界にとって科学的根拠の重要性を再認識させるものであり、日本食品業界にも影響を与える可能性があります。

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タマネギ工場の衛生管理の問題が明らかに—マクドナルドO157事件の背景

 2024年に米国で発生したマクドナルドの大腸菌O157食中毒事件。その背後には、サプライヤーであるTaylor Farmsのタマネギ工場における深刻な衛生管理の問題がありました。最近公開されたFDAの報告書では、食品接触面の清掃不足や記録管理の不備、従業員の衛生手順の欠如など、多くの問題が指摘されています。本記事では、報告書の具体的な内容を解説し、日本の食品業界が学ぶべき教訓を考察します。

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遂に中国で初めてリステリア食中毒原因食品が特定された!

中国もこれまで日本と同様、リステリア感染症は病院では多数症例が見られるものの、 その原因食品が疫学的解析で明確に特定された事例は存在していませんでした(日本では2001年の北海道のソフトチーズ事例のみは食中毒として原因食品特定)。この度、中国で初めてリステリア症の原因食品が特定されました、その事例を紹介します。

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米国初、カリフォルニア州で食品の消費期限設定が義務化

以前、このブログでEUや日本における消費期限や賞味期限の考え方について紹介しました。では、米国ではどうでしょうか? 実は驚くべきことに、これまで米国では消費期限や賞味期限の表示が法律で義務化されていませんでした。しかし、今回カリフォルニア州が米国で初めて、期限表示の法制化に踏み切りました。本記事ではその詳細についてご紹介します。

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マクドナルドのO157事件再び:タマネギが疑われる今、そのリスクを検証する

1980年代初頭、アメリカで初めて大腸菌O157による食中毒が発生したとき、その原因はハンバーガーでした。公式には「レストランチェーンA」として報告されていますが、多くの情報源がこのレストランがマクドナルドであったと指摘しています。この事件では、肉の加熱不足が疑われており、それがO157のリスクを一般に認識させる契機となりました。40年以上が経過した今、再びマクドナルドでO157による食中毒が発生し、今回はタマネギが原因と「推測」されています。しかし、現時点ではタマネギが確定したわけではなく、FDAの調査はまだ続いています。今回は、過去の事例と現在の事件を比較し、タマネギのリスクについて考察していきたいと思います。

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