アイスクリーム製造ラインからリステリア菌が検出されて製品リコール(米国)

 

 2月11日の米国FDA発表によると、米国マンチェスター州のロイヤルアイスクリーム社は、アイスクリーム製造ラインにリステリア菌(Listeria monocytogenes)が検出されたことを受けて、アイスクリーム製品をリコールしています。米国では、アイスクリームのリステリア菌汚染に関して度々リコールがおきています。この記事では、過去2年間の米国でおきた、その他のアイスクリームへのリステリア菌の検出に関するリコール事例もまとめて紹介します。

今回のリコール

 今回、リコールされたロイヤルアイスクリーム社のアイスクリームは、特定のロットのバッチアイスクリームブランドのバニラ、ジンジャー、およびモカチップアイスクリームです。マサチューセッツ、コネチカット、ロードアイランド、バーモント、ニューヨーク、ルイジアナ、フロリダ、テキサス、ニューハンプシャー州の食料品店で販売されていました。

  FDAの抜き打ち検査サンプリングにより、アイスクリーム製造ラインにリステリア菌が検出されたことを受けて、ロイヤルアイスクリーム社はリコールを開始しました。

 同社のリコールの発表によると、製品の製造日は22年1月19日、賞味期限は2023年7月19日です。なお、リコール通知の掲載時点で、同社はリコールされた製品に関連するリステリア菌食中毒の事例は報告されていません。

 

米国での過去2年間のアイスクリームへのリステリア菌汚染に関するリコール事例

Velvetアイスクリーム(2021年4月27日FDA発表

 オハイオ州ウティカのベルベットアイスクリームは、アイスクリーム製品がリステリア菌(Listeria monocytogenes)に汚染される可能性によって、 2021年3月にすべてのアイスクリームとシャーベット製品をリコールしました。製品は、インディアナ、ケンタッキー、オハイオ、ウェストバージニア各州の、ドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーマーケットへ流通販売されていました。

 同社の定期的自主検査の結果、リステリア菌汚染が確認されたことによるものです。

リコールされた製品に関連したリステリア菌食中毒は報告されていません。

RamarFoodsアイスクリーム(2020年5月14日FDA発表

 カリフォルニア州ピッツバーグのRamarFoodsは、リステリア菌(Listeria monocytogenes)の汚染の可能性があるため、Peekabooブランドのミントチョコレートチップその他のアイスクリーム製品の14オンスパッケージをリコールしました。リコール対象のアイスクリーム製品は、賞味期限は2021年10月8日のもので、これらは、フロリダ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州で流通販売されたものです。

 同社の定期的自主検査の結果、アイスクリームの一部のパッケージにリステリア菌が存在することが明らかになったことによるものです。リコールされた製品の生産は、FDAと協力して調査し、適切な是正措置を講じてられるまでの間、自主的に停止されました。

リコールされた製品に関連したリステリア菌食中毒は報告されていません。

WorkingCow Homemade アイスクリーム(2020年3月17日FDA発表

 フロリダ州セントピーターズバーグのWorkingCow Homemade Ice Cream、Inc。は、リステリア菌(Listeria monocytogenes)の汚染の可能性があるため、2018年5月に、3ガロンの浴槽で製造された無糖バニラおよび無糖チョコレートアイスクリームの自主回収を実施しました。

 リコールの対象となったアイスクリーム製品は、、フロリダ州全体のアイスクリームパーラー、自立生活施設、レストランなどに流通販売されていました。

 このリコールは、2017年にFDAによってWorking Cow社の製造施設で環境サンプリングを行った際に発見されたリステリア・モノサイトゲネス菌の遺伝子型とフロリダ州で発生した散発事例の臨床株が関連付けられたことを受けての措置です。同社はFDAと協力して根本的な原因が適切に解決されていることを確認するために調査を継続しました。その後の製造工場ラインのサンプリングでは陽性反応が出ません。

 なお、その後、フロリダ州事例以外に、追加のリステリア菌感染の報告は在りませんでした。

米国ではリテリア菌は検出されてはならない(ゼロトレランスポリシー)

 米国では、 Ready to eatフード食品でリステリア菌に関しては一切検出されてはならない(25g当たり比非検出)のゼロトレランスポリシーを採用しています。日本ではリステリア菌の規格が設けられているのは、ナチュラルチーズと非加熱食肉製品(生ハムなど)に限定されています。またEUでも、すべてのready to eat食品にリステリア菌の規格がありますが、ゼロトレランスポリシーは採用していません。消費者の口に入るまでに100cfu/g以下であれば流通が可能です。

※Ready to eat食品でのリステリア菌の規格基準に関しての詳細な説明は別記事でまとめていますので、ご覧ください。
米国とEUで異なる食品中のリステリア菌の許容値

アイスクリームにわずかなリステリア菌が混入した場合に食中毒のリスクがあるのか?

 上述したように、米国では、アイスクリームにわずかでもリストラ菌が検出されたらゼロトレランスポリシーにより会社が自主的にリコールをしています。厳しい基準なので製造者側としては多大なコストがかかる措置となります。

 ところで、このように、わずかなりリステリア菌が検出されることだけで、実際に食中毒のリスクがあるのでしょうか?このことについては別記事で詳細なレポートを整理しましたのでご覧ください。

低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすか?