微生物食中毒全般
ポイントカード利用で腸管出血性大腸菌アウトブレイクの原因究明(フランス)

 食中毒菌の原因食品の追求の疫学調査は、患者の聞き取り調査記憶によって実施されます。しかし、食中毒にかかるまでに日数が経っていたり、さまざまな食品を、大量に消費していたりする消費者の記憶を辿ることはしばしば困難です。そこで消費者履歴を正確に記録しているポイントカードを使う試みが 行われ始めています。本記事では、ポイントカードを使って腸管出血性大腸菌の原因食品を究明したフランス国立公衆衛生庁の事例を紹介します。

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薬剤耐性菌
海外旅行を通じて広がる薬剤耐性菌

薬剤耐性菌の世界への広がりに、海外旅行がどのくらい影響しているのでしょうか? オランダのアルシア博士らは、オランダからの海外旅行者が海外渡航中に薬剤耐性菌(ESBL産生菌)をどのぐらい獲得するかについて調べました。その結果、旅行者は世界規模で薬剤耐性菌の出現と拡散の大きな要因と考えられると結論しています。

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基礎講座ー食品の加熱殺菌
食品の水分活性と加熱殺菌時の微生物の耐熱性の関係

低水分活性食品中では加熱殺菌時における微生物の熱耐性が上昇する。したがって、これらの食品の加熱には注意が必要である。水分活性を下げると、どのぐらい微生物のの耐熱性は上昇するのだろうか?本記事は、食品の水分活性が微生物の耐熱性及ぼす影響についてまとめる。

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■ 世界最新ニュース
チョコレートを原因とするサルモネラ菌食中毒がヨーロッパで発生

チョコレートによる細菌性食中毒はほとんど起きません。しかし、2022年4月に、チョコレートによるサルモネラ菌の多国間アウトブレークがヨーロッパで発生しました。子供向けのチョコレート(イタリアの食品会社フェレロのキンダーチョコレート製品)によって、EU9か国とイギリスで合計、約150人の子供たちがサルモネラ菌に感染しましています。同社のベルギー工場から出荷されたチョコレートが原因です。本記事は欧州食品安全機関と欧州疾病予防管理センターが2022年4月12日に発表した中間報告の内容を紹介します。

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サルモネラ
チョコレートを原因とするサルモネラ菌の食中毒リスク

チョコレートは微生物学的には安全性が高い食品です。ほとんどの製品は水分活性が低いため、常温で数ヶ月から1〜2年保存が可能です。しかし、別記事で紹介しているように(2022年4月に、ベルギー工場で生産されたチョコレートを原因とするサルモネラ菌食中毒がEUで発生)、サルモネラ菌による食中毒が稀に発生することがあります。なぜチョコレートでサルモネラ食中毒菌が起きるのでしょうか?これまでにもチョコレートによるサルモネラ菌食中毒が起きていたのでしょうか?この記事は、チョコレートにおけるサルモネラ菌食中毒のリスクについてまとめます。

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■ 世界最新ニュース
欧州食品安全機関(EFSA)は食品の高圧処理(HPP)の効果について評価書を発行しました

 食品の高圧処理は、食中毒の原因や食品を腐敗させる微生物を死滅させる非加熱の食品保存技術です。高静水圧処理(HHP)または超高圧処理(UHP)とも呼ばれています。2022年3月8日に欧州食品安全機関(EFSA)は高圧加工食品の安全性と効果、特に、調理済み食品(RTE)中のリステリア菌の減少に使用できるかどうか、生乳の加熱殺菌の代替法として使用できるかどうかについて、評価書を公開しました。

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基礎講座ー食品の非加熱殺菌
食品の高圧処理殺菌

 食品の高圧処理(HPP)は、高静水圧処理(HHP)または超高圧処理(UHP)とも呼ばれ、食中毒細菌や腐敗細菌を不活性化する食品保存の非加熱技術である。高圧加工食品では、味、食感、外観、栄養価へのマイナスの影響は、加熱食品に比べると少ない。したがって、食品の高圧処理は、加熱殺菌に代わる加工技術として注目されている。本記事では、微生物の殺菌の観点から、高圧処理の基本事項について整理する。

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殺菌法
オゾン水は手の消毒にアルコールと同じ殺菌効果があり、手荒れが無い

現在、療現場で手指の消毒として使用される主な消毒方法は、石鹸とアルコールです。石鹸やアルコールに対して敏感な人の手指の肌荒れの原因にもなっています。この記事ではアルコール殺菌と同等の効果を持つオゾン水の効果を示した論文を紹介します。オゾン水はアルコールと異なり、手荒れが少ないこともデータが示しています。

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基礎講座ー食品の非加熱殺菌
オゾン殺菌

 本記事ではオゾンガスとオゾン水についての基本事項をまとめる。オゾンは、強い酸化剤であり、高い殺菌力がある。また、無毒な酸素に自然分解するので、食品の殺菌剤として用いる際に残留物が残らないという利点がある。オゾンガスとして用いる場合と、オゾン水として用いる場合がある。オゾンガスとして使用する場合は、高濃度オゾンガスが必要となるほか、ガスの拡散による有毒性や広範な機器に及ぶ腐食性などの課題が多く、産業界での応用は現時点で限定されている。一方、オゾン水として使用する場合、わずかな濃度(1~5ppm)で抗菌活性を発揮することができる。オゾン水については食品業界のみならず、家庭や医療業界など後半な応用が今後も期待できる。

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薬剤耐性菌
鶏肉由来の薬剤耐性菌はヒト腸内菌に薬剤耐性遺伝子をプラスミド伝播により伝える

薬剤耐性菌が養鶏場での飼育管理の環境で出現し、それが市販鶏肉に汚染しています。ここで疑問なのは、鶏肉由来の抗生物質耐性菌が人体に入った場合、人体にもともと住んでいる感受性菌に抗生物質遺伝子を移すか否かということです。今回紹介する論文は、人のボランティア実験を用いてこのことを証明した実験例です。

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