■ 食品微生物の基礎講座
微生物の増殖および死滅とpHの関係
微生物の増殖および死滅に与えるpHの影響、有機酸による抗菌作用のメカニズムについて説明する。日持ち向上剤と保存料の違いを、酢酸ナトリウム、プロピオン酸、ソルビン酸を例に挙げて、説明する。 また、胃の重要な役割として、胃酸による感染型食中毒細菌の殺菌の働きについても述べる。 また、食中毒菌の酸への強さの違いは、食中毒細菌の最小発症菌数にも関係 することを説明する。最後に、食中毒細菌は酸に弱いという特徴を持つ から食中毒菌なのだとういうことも説明する。
温度管理による微生物増殖制御
本記事では、微生物の増殖と温度に関する基礎事項を身に付けるために記載された。食中毒を引き起こす細菌は中温菌が多く、自然界の大部分の微生物は低温で増殖するという事実は、食品微生物学の基本である。しかし、冷蔵庫の温度のみで増殖する低温菌が存在するという誤解もある。本記事では、中温菌の増殖特性と、リステリア菌のように広範な温度で増殖可能な特異性を持つ微生物の遺伝的背景について解説する。さらに、低温での増殖メカニズムを持つ微生物が如何にしてその能力を獲得しているのか、脂肪酸の組成やタンパク質の立体構造の観点から詳述する。これにより、食品の安全管理に必要な正確な微生物学的理解を深めることを目指す。
ヒスタミン食中毒の原因になりやすい食べ物とヒスタミン生成菌
この記事では、ヒスタミン食中毒の原因になりやすい食べ物とはどんな食べ物なのか、その原因、ヒスタミン食中毒の症状、予防方法、、ヒスタミン生成をする細菌、なぜ細菌によるヒスチジン脱炭酸反応はなぜ行われるのか、一度できたら食品の加熱ではヒスタミンは消えないこと、魚だけが原因食品ではなということなど、をわかりやすく説明する。
食品の加熱殺菌(レトルト殺菌)
100℃煮沸で死滅しない耐熱芽胞菌 食品に存在する細菌を完全に殺菌すれば(滅菌)、少なくとも食品の微生物学的な腐敗・変敗や食中毒は防除できる。このような完全殺菌食品をレトルト殺菌食品と呼び、これらは常温流通にしても問 […]
食品加熱殺菌:パスツール殺菌とD値、Z値の実践的活用法
食品の安全性を確保するために欠かせない加熱殺菌は、パスツール殺菌とレトルト殺菌の2つに大別される。本記事では特にパスツール殺菌に焦点を当て、初心者でも理解しやすいよう、D値とZ値という重要な概念についても丁寧に解説する。D値とZ値は単なる言葉の説明に留まらず、実際の食品の殺菌現場でどのように活用できるのか、実践的な使い方も含めて詳しくご紹介する。
食品の殺菌-まず加熱殺菌の基礎理解
食品の安全性を確保する上で重要な加熱殺菌。その基本を理解するために、湿熱滅菌と乾熱滅菌という二つの主要な方法に焦点を当て、なぜこれらの方法が微生物に対して異なる効率を示すのかを探る。本記事では、湿度が殺菌効率に与える影響、そして環境の水分含量が微生物の生存にどう作用するかを解説する。さらに、耐熱性を持つ胞子形成微生物の例を挙げ、これらがなぜ一般的な滅菌方法に抵抗性を持つのかを科学的見地から探求する。微生物学の基本的な原理から、食品殺菌プロセスの理解を深める。
食品工場-第4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム)
食品工場でよく使われる殺菌剤の最後に第4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム)について説明をしておく。塩化ベンザルコニウムは食品工場では次亜塩素酸ナトリウムと同じく最も広く用いられている殺菌剤である。日本に限らず米国 […]
食品工場の消毒剤としての過酢酸製剤
本記事では、食品工場の消毒剤としての過酢酸製剤について説明する。 有機物の影響を受けにくい過酢酸 過酢酸の最も大きな特徴は、次亜塩素酸と異なり、有機物の存在が大量にあっても、殺菌力が落ちにくい点である。 次亜塩素酸の […]
食品工場-次亜塩素酸水(酸性電解水)
次亜塩素酸水(酸性電解水) 本記事では前記事で記した次亜塩素酸ナトリウムの一つ目の欠点である pH の影響を受けやすいということを解消する殺菌剤について述べる。すなわち次亜塩素酸水(酸性電解水)である。 次亜塩素酸の […]