■ 食品微生物の基礎講座
食中毒菌10種類の覚え方 ③カンピロバクター
本記事では、カンピロバクター食中毒の原因菌のカンピロバクターとはどのような細菌か、その基本的性状(高い生育温度、微好気性の性質)、カンピロバクター腸炎になりやすい食べ物はなぜ鶏肉なのか、潜伏期間(発症時間)や症状(比較的軽い)、なぜ、カンピロバクター腸炎のあとに手足のしびれをともなうギランバレー症候群がおきる可能性があるのか、そもそもギランバレー症候群とは何か、食中毒の防止対策は何か、などについてわかりやすく解説する。
食中毒菌10種類の覚え方 ②サルモネラ菌
この記事では、サルモネラ菌の要点について説明する。住処から広がる性質を、単に覚えるのではなく理解するアプローチを取り、ドミノのような連鎖効果で理解できるように説明する。その後、サルモネラ菌には食中毒型と人から人へ感染す […]
食中毒菌10種類の覚え方 ①腸管出血性大腸菌
これから10記事連続で、個別の代表的な食中毒菌について説明を加えていく。まずトップバッターとして腸管出血性大腸菌の説明をする。腸管出血性大腸菌の症状や、潜伏期間、原因、感染経路などについて、個別に暗記せずとも、ドミノ方 […]
乳酸菌(特に食品の腐敗細菌として)
食品産業においては、ヨーグルトや発酵食品などで活躍する善玉菌だけでなく、食品の腐敗変敗細菌として問題となる変敗乳酸菌の問題が多い。この記事では、食品の腐敗でさまざまな問題を起こす乳酸菌の問題について重点的に説明する。
大腸菌とは何か、大腸菌群とは何か
本記事では、まずは、大腸菌とは何か、大腸菌群とは何か、 両者の違い、これらの微生物の定義、どこにいるのか、食中毒菌なのか、死滅しやすいのか、体内に入るとどうなるのか、腹痛を起こすのか、 などなどの初心者の疑問が一括して解決できるように説明を加えたい。一方、少し踏み込んで、 環境での生存、検査方法、食品で大腸菌菌群が検出されることの意味、国内と海外の大腸菌や大腸菌群の微生物規格はどう違うのか、食品衛生法上の位置づけや問題点、についても説明する。
食品中の一般生菌数の目安や基準値の理由、データの読み方を理解する
この記事では、食品中の一般生菌数の目安や基準値の理由、データの読み方を理解することを目的とする。新鮮な食品や腐敗した食品、糞便、あるいは空気中にどれぐらいの数の微生物がいるのか?このような私たちの身の回りの微生物数に関する基本的な理解がないと、一般生菌数の測定結果の解釈で、思わぬ落とし穴に落ちる可能性がある。
培地成分の読解力の必要性
本基礎講座では、グラム染色の重要性の一連の記事で、グラム陽性菌は疎水性官能基を持った化合物に弱く、 グラム陰性菌は強い、ということを説明してきた。 この理解は、食品微生物の検査培地の成分の読解力にも関連してくる。 本記 […]
グラム陽性菌と陰性菌の棲家の違い、特徴、覚え方のまとめ
前記事までに、グラム陽性菌とグラム陰性菌の特徴と、これらの食中毒菌としての特性を一つの流れとして理解するために説明をした。グラム陰性菌は物理的ストレスに弱いが化学薬剤には強いこと、グラム陽性菌はその逆で物理ストレスには強いが化学ストレスには弱いことを説明した。また、これまで、感染型食中毒細菌のほとんどはグラム陰性菌であると説明してきた。本記事ではそれらをまとめて整理する。
グラム陽性菌と陰性菌の特徴ー感染型食中毒と毒素型食中毒
グラム陽性菌とグラム陰性菌の違いは、食中毒菌としての側面でも関連してくる。食中毒菌は毒素型食中毒菌と感染型食中毒菌に2分できる。毒素型食中毒菌とは、菌が作り出す毒素が食品中に蓄積して、ヒトがその毒素を摂食して発症する食中毒である。一方、感染型食中毒菌の場合、ヒトに危害をあたえるのはあくまでも菌自身である。菌自身がヒトの口→胃→腸管へと侵入し、最終的に腸管粘膜上皮細胞から体内に侵入しようとする攻防の結果、発熱や下痢を引き起こす。