腸内細菌、ヒト常在菌
周辺環境の生物多様性が皮膚の常在菌とアトピー性皮膚炎に与える影響

アトピー性皮膚炎は、乾燥してバリア機能の低下した皮膚にダニ、ほこりなどの様々なアレルゲンが侵入して起きると考えられています。しかし、詳しい原因はわかっていません。アトピー性皮膚炎の原因の一つとして、私たちの身の回りの生物の多様性の減少に結びつける考え方があります。人々が自然環境や生物多様性と接触する機会が減ることで、人間の常在微生物叢とその免疫調整能力に悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、健常者と比較して、アトピー患者は、自宅周辺の環境の生物多様性が低く、皮膚上の細菌叢の多様性も有意に低いことを示す論文を紹介します。

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基礎講座ー食品安全性における微生物の国際基準・規格
日本とEUの食品の微生物規格基準の違い、HACCP制度化にともなう弁当及びそうざいの衛生規範等の廃止理由をわかりやすく説明します

 この記事では、現行の日本とEUの食品の微生物規格基準の違いについて、わかりやすく説明する。また、2021年6月、HACCP制度化にともない、弁当及びそうざいの衛生規範、漬物の衛生規範、洋生菓子の衛生規範等の一連の衛生規範が廃止された。これまで、EUの工程衛生基準に近い役割を果たしていた各種衛生規範がなぜ廃止されたのか、その背景について解説する。さらは、今後、EU、日本を問わず、食品事業者が対応すべき自主的な工程管理や自主検査の方向性についても解説する。

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腸管出血性大腸菌
スズメなど野鳥が葉物野菜の腸管出血性大腸菌の汚染源になり得るか?

  葉物野菜を感染経路とする腸管出血性大腸菌が米国で多発しています。その主な汚染経路は畑の近傍の牛の糞の飛沫や、糞で汚染された灌漑水などが推定されています。では、野鳥が腸管出血性大腸菌を畑に持ち込む可能性はないのでしょうか?この記事は、この可能性を調べた論文を紹介します。

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腸管出血性大腸菌
葉物野菜を感染経路とする腸管出血性大腸菌食中毒の10年間統計(米国およびカナダ )

 葉物野菜は、米国では、腸管出血性大腸菌 O157食中毒の感染経路として、牛ひき肉に次いで、 2 番目に多い感染源食品です。特にロメインレタスを感染経路とする食中毒は、他の種類の葉物野菜よりも頻繁におきています(葉物野菜の中の54%)。また、葉物野菜を感染経路とする腸管出血性大腸菌には季節性があるようです(春と秋に多発)。本記事で紹介する論文は、米国とカナダで 2009~2018 年に発生した葉物野菜に関連する腸管出血性大腸菌食中毒を調査したものです。米国疾病対策予防センター(CDC)、カナダ公衆衛生庁、米国食品医薬品局(FDA)、米国カリフォルニア州公衆衛生局の研究者たちの共同執筆レポートです。

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■ 世界最新ニュース
ウェンディーズのハンバーガーのロメインレタスが腸管出血性大腸菌の広域食中毒の感染経路として浮上(米国)

 米国CDCは、2022年8月19日、米国複数州で発生中の腸管出血性大腸菌O157:H7の広域食中毒の感染経路として、ウェンディーズ( Wendy’s restaurants)のハンバーガーに使われているロメインレタスの可能性があると発表しました。特定の食品がこの集団発生の原因であることはまだ確認されていませんが、患者の聞き取り調査によると、多くの感染者が、発病前にウェンディーズ でロメインレタスを使ったハンバーガーやサンドイッチを食べたと報告しています。

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■ 世界最新ニュース
パン粉をまぶした生鶏肉にサルモネラ菌の微生物規格基準設定(米国)

 日本でも米国でも生の鶏肉を原因とするサルモネラ菌やカンピロバクターの食中毒は深刻な問題です。ただし、鶏の生肉は、消費者が加熱調理をする前提で販売しています。したがって、これまで生の鶏肉については、サルモネラ菌やカンピロバクターに関する微生物基準は設定されていません。 これに対して米国ではかねてから消費者団体や有名弁護士事務所が農務省に対して微生物規格基準を設定するように、強い要望書が提出されていました。この度、生の鶏肉を用いた小麦粉製品について、初めてサルモネラ菌についての微生物規格基準が設定されることになりました。

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黄色ブドウ球菌
消毒のしすぎ、手荒れに注意ー皮膚の善玉常在菌の表皮ブドウ球菌の役割

 黄色ブドウ球菌は皮膚表面で炎症を起こす悪玉菌です。皮膚表面に付着している黄色ブドウ球菌を減らすにはどうしたらよいでしょうか?皮膚表面の常在菌は、この悪玉菌を排除する力を持っているのでしょうか?実は、このことについて、これまで科学的に明確なエビデンスは存在していませんでした。 2017年にカリフォルニア大学サンディエゴ校の中辻博士らによって行われた研究が、このことを科学的に立証しました。表面の常在菌である表皮ブドウ球菌が黄色ブドウ球菌を攻撃排除していることが明らかになりました。

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ノロウィルスおよびその他ウィルス関連
食品および包材からの新型コロナウイルスの感染リスクについて

 食品や包材から新型コロナウイルスが果たして感染するかについては科学的なデータが不足しています。 2022年、食品や包装材料からの新型コロナウイルスの感染に関して、2論文が発表されました。一つは食品や食品包材からの感染伝播の可能性が低いことを示した論文です。もう一つは中国で実際に輸入された冷凍食品から感染が起きた可能性を示唆した論文です。2つの論文からは相反する結論が導き出されています。本記事では、これらの論文の要旨を紹介します。

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腸内細菌、ヒト常在菌
ウイルス性呼吸器感染がサルモネラの腸内感染を容易にする

 呼吸器感染ウイルスは呼吸器系のみで増殖します。しかし、感染者は嘔吐や下痢などの消化器症状を呈することもあります。なぜ、呼吸器系の感染が、腸管でのこのような症状を起こすことがあるのでしょうか?その分子機構は未だ解明されていません。

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■ 世界最新ニュース
米国で発生中のリステリアのアウトブレイクの原因としてアイスクリームが浮上

  2021年から2020年にかけて米国で発生中の10州にまたが原因食品不明だったリステリアの広域アウトブレイクの原因食品は、アイスクリームの可能性が高いことを、米国CDCが発表しました。 2022年6月30日現在、23人の患者が確認されており(22人入院)、うち1人が死亡しています。また、別の患者は妊婦で、この感染症が原因で赤ちゃんが死亡しました。

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