米国野菜サラダでのリステリア菌の混入によるリコール(ニュース)

 

 10月29日米国 FDA の発表によると、米国の10の州で袋入りサラダのリステリア菌(Listeria monocytogenes)の混入によるリコールが行われています。Dole Fresh Vegetables、Incは、自社サラダ製品に、ジョージア州の農業省が実施した任意抜き打ち検査でリステリア菌の陽性結果が出たため、10月29日に4つのブランドの袋入りサラダ製品をリコールすることを決定しました。

 上記FDAのウェブサイトによると、これらの製品を原因とするリステリア食中毒は現時点では報告されていないようです。また、これらの製品のすべての製品がリコールされているわけではなく、「限られた数のケース」のみがリステリアの混入の可能性があるとしてリコールされているようです。

 これらのサラダ製品は「賞味期限」の日付を過ぎており、小売店の棚には置かれていません。ただし、すでにサラダを購入している消費者は、冷蔵庫に保管している可能性があるとし、消費者は、自宅にある製品を確認し、これらのロットとUPCコードおよび使用期限に一致する製品を廃棄することを呼び掛けています。

サラダ

 ところで、生野菜による食中毒の原因となる食中毒菌で最も多いのは、米国では、ノロウイルス(病因が確認された発生の55%)、腸管出血性大腸菌(STEC)(18%)、およびサルモネラ菌(11%)です(1973年~2012年までの統計)。リステリアの食中毒は件数としては多いわけではありません。

サラダ及び生野菜による食中毒事例(米国)

 しかし、2011年には米国でマスクメロによる大規模リステリア食中毒(28州、157人感染、33人死亡(内妊婦1名流産))や、 2015年には味付けリンゴによる大規模リステリア食中毒(12州、35人感染(内11名妊婦)、7人死亡(内1名流産))など果物や野菜関係の食中毒も増えています。

 また、リステリア菌で注意しなくてはならないのは、食中毒件数は少なくても、死者数(妊婦流産含む)が他の食中毒菌より圧倒的に高いという点です。米国でのリステリア菌による死者数はノロウイルスなどよりも多く、サルモネラ、トキソプラズマ原虫に次いで米国では TOP 3になります。

食中毒の原因菌ごとの患者数ランキングの推定(米国)

 日本ではリステリア菌による食中毒事例は統計的にはまだ一件だけですが、リステリア症自体は、病院レベルでの調査では、海外と同じようなレベルで起きていることが報告されています。

Okutani A. et al., Nationwide Survey of Human Listeria monocytogenes Infection in JapanEpidemiol. Infect. 132:769–772(2004)

 日本における問題はその原因食品が未解明であるという点です。食品を扱う企業としてはリステリア菌に関して、自主的に日常的なモニタリングに力を入れていく必要があります。

※リステリア菌の基礎事項を確認されたい方は下記の記事をご覧ください
食中毒菌10種類の覚え方 ⑧リステリア菌