ビブリオ
中国では過去20年間、細菌性食中毒の発生件数第1位は腸炎ビブリオ

  日本では過去20年間、腸炎ビブリオの食中毒は激減しています。しかし、世界の事情と、日本の事情は異なるようです。中国では過去20年間、細菌性食中毒の発生件数第1位は腸炎ビブリオです。この記事では、2つのレポートを紹介します。

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■ 世界最新ニュース
乳児用粉ミルクによるクロノバクター感染症とリコール(米国)

 米国FDAの2月20日の発表によると、ミシガン州のアボットニュートリションが製造した粉ミルクを摂取した後、4人の乳児がクロノバクター感染症とサルモネラ感染症に罹患しています。FDAは粉ミルク製品の購入または使用を避けるように消費者に警告しています。同社は2月17日に特定のロットの自主回収を発表しました。

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基礎講座ーその他の食中毒菌
クロノバクター・サカザキ(Cronobacter sakazakii)

 本記事では、 乳児用調製粉乳への汚染から乳児への感染が心配されるクロノバクターサカザキ(Cronobacter sakazakii)とはどのような細菌なのかについて整理する。また、乳児用調製粉乳の調乳の注意事項や、粉ミルクと液体ミルクの違いについても、微生物学的安全性の観点から解説する。

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■ 世界最新ニュース
アイスクリーム製造ラインからリステリア菌が検出されて製品リコール(米国)

 2月11日の米国FDA発表によると、米国マンチェスター州のロイヤルアイスクリーム社は、アイスクリーム製造ラインにリステリア菌(Listeria monocytogenes)が検出されたことを受けて、アイスクリーム製品をリコールしています。米国では、アイスクリームのリステリア菌汚染に関して度々リコールがおきています。この記事では、過去2年間の米国でおきた、その他のアイスクリームへのリステリア菌の検出に関するリコール事例もまとめて紹介します。

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リステリア
低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすか?

 低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすのでしょうか?妊婦が食べたらどうなるでしょうか?基礎疾患のある高齢者の場合は?2015年米国でアイスクリームによるリステリア菌食中毒がおきました。この食中毒事件により、アイスクリームによるリステリア菌食中毒の発症菌量に関して興味深い事実がわかりました。本記事ではこれを紹介します。

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腐敗細菌関連
塩漬け白菜の微生物学的品質を決定する要因:季節と流通温度

 2012年に札幌市で白菜の浅漬による腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事件が発生し、また、韓国でも、同年にキムチを原因とする腸管毒素原性大腸菌(ETEC)食中毒がおきました。これらの食中毒事件によって、白菜の浅漬やキムチのように非加熱喫食の白菜の潜在的な危険性が浮き彫りになりました。これまでに、塩漬け白菜の微生物学的品質を調べた研究はほとんどありませんでした。そこで、韓国の高麗大学のキム博士らが、韓国内で市販の塩漬け白菜の微生物学的品質を調査しました。

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■ 検査法関連
乳酸菌培地の培地成分を読解してみよう

 本記事では、 MRS培地やBCP培地など乳酸菌培地に、果たしてどれぐらい乳酸菌の選択性があるのかについて、整理してみる。培地成分を読解してみよう。

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■ 世界最新ニュース
韓国産キムチによりカナダで腸管出血性大腸菌0157食中毒

 韓国産キムチによる腸管出血性大腸菌O157:H7の食中毒がカナダで発生しているようです。カナダ公衆衛生庁(PHAC)によって1月29日に発表されました。 2022年1月28日の時点で、キムチに関連する腸管出血性大腸菌O157の食中毒事例が14件確認されています。 本記事では現時点でカナダ公衆衛生庁の発表内容を紹介します。また同時に、過去のキムチによる下痢性大腸菌感染症として、 2012年に韓国で発生した腸管毒素原性大腸菌(ETEC)の事例も紹介します。

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基礎講座ー食品微生物学の基礎
なぜカタラーゼ試験でグラム陽性菌の中から乳酸菌を見分けることができるのか?

 本記事では、カタラーゼ試験でグラム陽性菌の中から見分けることができる乳酸菌について説明する。なぜ乳酸菌だけがグラム陽性菌の中でカタラーゼ陰性なのか?カタラーゼ陰性なのに、なぜ酸素条件下で生存できるのか?そもそも、なぜ乳酸菌は酸素があっても乳酸発酵しかしないのか?つまるところ、乳酸菌とはどのような細菌なのかについて説明する。最後に、乳酸菌の定義、特徴、性質および乳酸発酵について基礎知識をを整理する。

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腐敗細菌関連
チルド食品の変敗と低温細菌(乳酸菌)

 本記事は、チルド食品の変敗と低温細菌(乳酸菌)に関するものです。 30°C の培養温度では検出できない低温細菌を、16S rRNAアンプリコンシークエンス解析(細菌叢解析)によって明らかにした結果を紹介します。以前、別記事で、ベルギーのゲント大学のポカソス博士らが、30°C 培養では、低温細菌を計測できず、微生物数を過小評価していることを示した論文を紹介しました。本記事はその続編です。

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