基礎講座ー食中毒菌の種類(代表的10種類の覚え方)
食中毒菌10種類の覚え方 ④腸炎ビブリオ

本記事では腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)の特徴について分かりやすく説明する。なぜ腸炎ビブリオは海洋細菌であるのにも関わらず人に感染するのか?哺乳動物の体温に強く、低温に弱いという海洋細菌らしからの性質、真水では弱いという海洋細菌らしい性質、日本の寿司文化との関係、腸炎ビブリオの症状や潜伏期間、治療法、食品中での検査方法などについてすべて総合的に関連付けて解説する。

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基礎講座ー食中毒菌の種類(代表的10種類の覚え方)
食中毒菌10種類の覚え方 ③カンピロバクター

本記事では、カンピロバクター食中毒の原因菌のカンピロバクターとはどのような細菌か、その基本的性状(高い生育温度、微好気性の性質)、カンピロバクター腸炎になりやすい食べ物はなぜ鶏肉なのか、潜伏期間(発症時間)や症状(比較的軽い)、なぜ、カンピロバクター腸炎のあとに手足のしびれをともなうギランバレー症候群がおきる可能性があるのか、そもそもギランバレー症候群とは何か、食中毒の防止対策は何か、などについてわかりやすく解説する。

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基礎講座ー食中毒菌の種類(代表的10種類の覚え方)
食中毒菌10種類の覚え方 ②サルモネラ菌

 この記事では、サルモネラ菌の要点について説明する。住処から広がる性質を、単に覚えるのではなく理解するアプローチを取り、ドミノのような連鎖効果で理解できるように説明する。その後、サルモネラ菌には食中毒型と人から人へ感染す […]

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■ 世界最新ニュース
Salmonella血清型Enteritidis 世界規模の大規模食中毒拡散(パンデミック)株の起源が分かった!

1980年代には、家禽製品に関連するSalmonella血清型Enteritidis(SE)によるサルモネラ菌菌感染症パンデミック規模で世界中に広がりました。なぜこの血清型によるアウトブレークが世界中に急速に広がったかについては、科学的には謎でした。本記事紹介する論文はこの謎に答えた論文です。ジョージア大学のリー博士らの研究です。

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基礎講座ー食中毒菌の種類(代表的10種類の覚え方)
食中毒菌10種類の覚え方 ①腸管出血性大腸菌

 これから10記事連続で、個別の代表的な食中毒菌について説明を加えていく。まずトップバッターとして腸管出血性大腸菌の説明をする。腸管出血性大腸菌の症状や、潜伏期間、原因、感染経路などについて、個別に暗記せずとも、ドミノ方 […]

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基礎講座ー食品微生物学の基礎
酵母とカビについて

本記事では、食品微生物学において細菌以外の重要な微生物である酵母とカビついて説明する。いずれも細菌のような原核生物よりは高等な生物であるが、どちらも進化の袋小路に入ってしまった。従属栄養にもかかわらず、植物のような細胞壁を形成してしまったために、動物のような発展を遂げることができなかった。また、本記事ではこれらの酵母、カビのの食品微生物学的な観点からの位置づけや意義についても述べる。

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■ 世界最新ニュース
腸管出血性大腸菌(STEC)の血清型O157中心検査はもう古い?(論文)

腸管出血性大腸菌の検査については、過去20年間、血清型O157を中心に検査が実施されてきました。しかし、腸管出血性大腸菌の食中毒はO157に限定されず、他の多くの血清型によってもおきていることが過去10年間の食中毒事例で明らかとなってきました。現在、各国の衛生機関で中心的に行われている血清型O157を中心とした検査は時代遅れになりつつあります。本記事ではこれに関連した論文を紹介します。

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基礎講座ー食品微生物学の基礎
乳酸菌(特に食品の腐敗細菌として)

 食品産業においては、ヨーグルトや発酵食品などで活躍する善玉菌だけでなく、食品の腐敗変敗細菌として問題となる変敗乳酸菌の問題が多い。この記事では、食品の腐敗でさまざまな問題を起こす乳酸菌の問題について重点的に説明する。

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基礎講座ー食品微生物学の基礎
大腸菌とは何か、大腸菌群とは何か

本記事では、まずは、大腸菌とは何か、大腸菌群とは何か、 両者の違い、これらの微生物の定義、どこにいるのか、食中毒菌なのか、死滅しやすいのか、体内に入るとどうなるのか、腹痛を起こすのか、 などなどの初心者の疑問が一括して解決できるように説明を加えたい。一方、少し踏み込んで、 環境での生存、検査方法、食品で大腸菌菌群が検出されることの意味、国内と海外の大腸菌や大腸菌群の微生物規格はどう違うのか、食品衛生法上の位置づけや問題点、についても説明する。

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基礎講座ー食品微生物学の基礎
食品中の一般生菌数の目安や基準値の理由、データの読み方を理解する

この記事では、食品中の一般生菌数の目安や基準値の理由、データの読み方を理解することを目的とする。新鮮な食品や腐敗した食品、糞便、あるいは空気中にどれぐらいの数の微生物がいるのか?このような私たちの身の回りの微生物数に関する基本的な理解がないと、一般生菌数の測定結果の解釈で、思わぬ落とし穴に落ちる可能性がある。

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