チョコレートを原因とするサルモネラ菌食中毒がヨーロッパで発生
チョコレートによる細菌性食中毒はほとんど起きません。しかし、2022年4月に、チョコレートによるサルモネラ菌の多国間アウトブレークがヨーロッパで発生しました。子供向けのチョコレート(イタリアの食品会社フェレロのキンダーチョコレート製品)によって、EU9か国とイギリスで合計、約150人の子供たちがサルモネラ菌に感染しましています。同社のベルギー工場から出荷されたチョコレートが原因です。本記事は欧州食品安全機関と欧州疾病予防管理センターが2022年4月12日に発表した中間報告の内容を紹介します。
チョコレートを原因とするサルモネラ菌の食中毒リスク
チョコレートは微生物学的には安全性が高い食品です。ほとんどの製品は水分活性が低いため、常温で数ヶ月から1〜2年保存が可能です。しかし、別記事で紹介しているように(2022年4月に、ベルギー工場で生産されたチョコレートを原因とするサルモネラ菌食中毒がEUで発生)、サルモネラ菌による食中毒が稀に発生することがあります。なぜチョコレートでサルモネラ食中毒菌が起きるのでしょうか?これまでにもチョコレートによるサルモネラ菌食中毒が起きていたのでしょうか?この記事は、チョコレートにおけるサルモネラ菌食中毒のリスクについてまとめます。
欧州食品安全機関(EFSA)は食品の高圧処理(HPP)の効果について評価書を発行しました
食品の高圧処理は、食中毒の原因や食品を腐敗させる微生物を死滅させる非加熱の食品保存技術です。高静水圧処理(HHP)または超高圧処理(UHP)とも呼ばれています。2022年3月8日に欧州食品安全機関(EFSA)は高圧加工食品の安全性と効果、特に、調理済み食品(RTE)中のリステリア菌の減少に使用できるかどうか、生乳の加熱殺菌の代替法として使用できるかどうかについて、評価書を公開しました。
オゾン水は手の消毒にアルコールと同じ殺菌効果があり、手荒れが無い
現在、療現場で手指の消毒として使用される主な消毒方法は、石鹸とアルコールです。石鹸やアルコールに対して敏感な人の手指の肌荒れの原因にもなっています。この記事ではアルコール殺菌と同等の効果を持つオゾン水の効果を示した論文を紹介します。オゾン水はアルコールと異なり、手荒れが少ないこともデータが示しています。
オゾン殺菌
本記事ではオゾンガスとオゾン水についての基本事項をまとめる。オゾンは、強い酸化剤であり、高い殺菌力がある。また、無毒な酸素に自然分解するので、食品の殺菌剤として用いる際に残留物が残らないという利点がある。オゾンガスとして用いる場合と、オゾン水として用いる場合がある。オゾンガスとして使用する場合は、高濃度オゾンガスが必要となるほか、ガスの拡散による有毒性や広範な機器に及ぶ腐食性などの課題が多く、産業界での応用は現時点で限定されている。一方、オゾン水として使用する場合、わずかな濃度(1~5ppm)で抗菌活性を発揮することができる。オゾン水については食品業界のみならず、家庭や医療業界など後半な応用が今後も期待できる。
鶏肉由来の薬剤耐性菌はヒト腸内菌に薬剤耐性遺伝子をプラスミド伝播により伝える
薬剤耐性菌が養鶏場での飼育管理の環境で出現し、それが市販鶏肉に汚染しています。ここで疑問なのは、鶏肉由来の抗生物質耐性菌が人体に入った場合、人体にもともと住んでいる感受性菌に抗生物質遺伝子を移すか否かということです。今回紹介する論文は、人のボランティア実験を用いてこのことを証明した実験例です。
なぜ、腸管出血性大腸菌がいる生レバーは禁止で、サルモネラ菌がいる生卵は禁止されていないの?
牛の生レバ-の中には腸管出血性大腸菌が検出される場合がある。したがって、生レバーの生食は禁止されている。一方、生卵にはおよそ5000~2万個に一個の割合で1~20cfuのサルモネラ菌が汚染している。しかし、生卵を食べることは禁止されていはない。なぜか?この記事では、その理由について考察してみたい。2つの食中毒菌の食中毒を起こすための発症菌量の違いと、また、これらの発症菌量の違いをもたらす大きな要因としての両者の胃酸に対する抵抗性の違いを説明する。
空気感染や人から人へうつる場合もある腸管出血性大腸菌
身近な脅威、それが腸管出血性大腸菌(EHEC)です。食物や水を通じた感染が主ですが、実は驚くべきことに、ヒトからヒトへと直接感染するケースもあります。これは特に保育所での子どもたちの間や、重篤な感染症を看病する家族間で注意が必要です。この人間間の感染はどのような状況で、どれほどの確率で起こるのでしょうか?本記事では、この特異な感染経路とともに、保育所や家庭での具体的な感染事例を紹介します。この記事を通じて、あなた自身、大切な人々、そして子どもたちを予想外のEHECの脅威から守るための知識を得ることができます。
食中毒菌は、トイレや会話中にうつるか?
この記事では、サルモネラ菌や大腸菌O157はトイレでうつらないの?食卓での会話中にうつらないの?なぜ食中毒菌は食べ物を食べることにより、感染するの?食中毒菌の感染には食べ物の成分が必要なの?などなどの疑問について説明する。また、そもそも食品微生物学の定義に係る問題についてあらためて整理したい。