養鶏場のストレス環境と鶏のサルモネラ菌感染の関係
ブラジルは世界最大の鶏肉輸出国です。日本の鶏肉の70%以上はブラジルからの輸入に頼っています。わたしたちが毎日外食レストランや食卓で食べているブラジル産の鶏肉の飼育環境が気になるところです。ブラジルののサンパウロ大学のゴメス博士らは、養鶏場の鶏に過密ストレス(1m2あたり 16羽)を与えた場合の、鶏のに与える生理ストレスとサルモネラ菌への感染の度合いを分析しました。
病原微生物は人間に戦いを挑んでいるのか?
大学で食品微生物を教えていると、毒素型食中毒細菌はなぜ人間にとっての毒を出すのか?大腸菌O157が牛の腸内にいても牛は健康なのに、人間だけなぜ感染を起こすのか?などの質問を受けることがある。食品微生物学という人間中心の学問を学んでいると、病原微生物が人間に戦いを挑んでいるかのような視点になりがちである。しかし地球生物学の観点からは、人間を中心として微生物を見る見方は間違いである。この記事では微生物と人間との関係について、地球上の微生物の歴史の観点から整理してみたい。
オーストラリアで心配されている地球温暖化と腸炎ビブリオ食中毒の増加
オーストラリアで腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)が新たな食中毒菌として心配されています。2016年以降、カキを原因とする腸炎ビブリオ食中毒が増えているからです。地球温暖化による海水温の上昇と関連していると考えられています。 2月16日にオーストラリアの保健省は、この問題に関するレポートを発行しました。本記事では、その文書の概要を解説します。
中国では過去20年間、細菌性食中毒の発生件数第1位は腸炎ビブリオ
日本では過去20年間、腸炎ビブリオの食中毒は激減しています。しかし、世界の事情と、日本の事情は異なるようです。中国では過去20年間、細菌性食中毒の発生件数第1位は腸炎ビブリオです。この記事では、2つのレポートを紹介します。
乳児用粉ミルクによるクロノバクター感染症とリコール(米国)
米国FDAの2月20日の発表によると、ミシガン州のアボットニュートリションが製造した粉ミルクを摂取した後、4人の乳児がクロノバクター感染症とサルモネラ感染症に罹患しています。FDAは粉ミルク製品の購入または使用を避けるように消費者に警告しています。同社は2月17日に特定のロットの自主回収を発表しました。
クロノバクター・サカザキ(Cronobacter sakazakii)
本記事では、 乳児用調製粉乳への汚染から乳児への感染が心配されるクロノバクターサカザキ(Cronobacter sakazakii)とはどのような細菌なのかについて整理する。また、乳児用調製粉乳の調乳の注意事項や、粉ミルクと液体ミルクの違いについても、微生物学的安全性の観点から解説する。
アイスクリーム製造ラインからリステリア菌が検出されて製品リコール(米国)
2月11日の米国FDA発表によると、米国マンチェスター州のロイヤルアイスクリーム社は、アイスクリーム製造ラインにリステリア菌(Listeria monocytogenes)が検出されたことを受けて、アイスクリーム製品をリコールしています。米国では、アイスクリームのリステリア菌汚染に関して度々リコールがおきています。この記事では、過去2年間の米国でおきた、その他のアイスクリームへのリステリア菌の検出に関するリコール事例もまとめて紹介します。
低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすか?
低濃度でリステリア菌に汚染されたアイスクリームは感染を起こすのでしょうか?妊婦が食べたらどうなるでしょうか?基礎疾患のある高齢者の場合は?2015年米国でアイスクリームによるリステリア菌食中毒がおきました。この食中毒事件により、アイスクリームによるリステリア菌食中毒の発症菌量に関して興味深い事実がわかりました。本記事ではこれを紹介します。
塩漬け白菜の微生物学的品質を決定する要因:季節と流通温度
2012年に札幌市で白菜の浅漬による腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事件が発生し、また、韓国でも、同年にキムチを原因とする腸管毒素原性大腸菌(ETEC)食中毒がおきました。これらの食中毒事件によって、白菜の浅漬やキムチのように非加熱喫食の白菜の潜在的な危険性が浮き彫りになりました。これまでに、塩漬け白菜の微生物学的品質を調べた研究はほとんどありませんでした。そこで、韓国の高麗大学のキム博士らが、韓国内で市販の塩漬け白菜の微生物学的品質を調査しました。
乳酸菌培地の培地成分を読解してみよう
本記事では、 MRS培地やBCP培地など乳酸菌培地に、果たしてどれぐらい乳酸菌の選択性があるのかについて、整理してみる。培地成分を読解してみよう。